劇場公開日 2016年12月17日

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「小松菜奈さんが美しい」ぼくは明日、昨日のきみとデートする ケイさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0小松菜奈さんが美しい

2025年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

Amazonプライムで2024年に鑑賞しました。
泣ける恋愛映画の傑作の一つ、運命に縛られた恋、運命を受け入れるストーリーを描く物語。小松菜奈さんが美しく魅力的。
映画を一度観て物語の構造を知ると、二度目の鑑賞からはヒロインの抱えた悲しみが映画の冒頭から伝わってきて、もっと泣けます。
福士蒼汰さんが演じる彼氏は物語の中で恋愛が進むにつれて垢抜けていく印象があり、微笑ましい。
当方は鑑賞後にいろいろ読んで、物語の背景世界について理解を深めました。
これを観た後、小松菜奈さんをお代わりするため「恋は雨上がりのように」を観ました。

○時間の流れのアイデアについて
「僕は明日昨日のきみとデートする」は七月隆文さんが原作ですが、時間の流れのアイデアは、SF作家・梶尾真治さんの短編「時尼に関する覚え書」(短編集「美亜へ贈る真珠」に収録)に影響を受けているはずです。
ちなみにこの短編タイトルの「時尼」は「ジニィ」と読みますが、ロバート・ネイサンの小説「ジェニーの肖像」に敬意を表したもの。
小説「ジェニーの肖像」は画家の主人公がジェニーという少女と知り合い、ジェニーのスケッチを描くことで、画家としてチャンスを掴む物語。ジェニーは会う度に目に見えて成長し、まるで画家に追いつこうとしているようだ、というSFファンタジィです。
1948年に映画化、主演ジョゼフ・コットンとジェニファー・ジョーンズ。

○時間の流れのネタバレ
愛美さんは我々の住む世界とは別の世界の住人で、5歳、15歳、20歳、30歳、35歳と、成長しています。 ただし愛美さんが住む世界は我々の世界と時間の流れが逆、という設定です。
SFの多元宇宙という設定の一種です。

映画の終わりのほうで、大学の教室の中、愛美さんと高寿さんが黒板にグルグル巻きの2つのコイルが接する絵を描いて時間の流れを話しています。
大きな時間の流れは逆方向なのに、接するところでは一緒に時間が流れる。愛美さんが我々の世界にやって来て、2人が一緒に過ごすときは同じ時間を過ごし、1日が終わると昨日と明日に別れてしまうのです。

愛美さんたちは5年に一度、30日間、我々の世界に旅行に来ることができます。30日間のうちの1日が終わると、愛美さんは我々の世界の昨日に行きます。
我々の世界と大きな時間の流れが逆のため、愛美さんが高寿さんに会うとき、二人の年齢は以下です。
・高寿5歳、愛美35歳
・高寿10歳、愛美30歳
・高寿20歳、愛美20歳
・高寿25歳、愛美15歳
・高寿35歳、愛美5歳
愛美さんは5歳で高寿さんに救われ、自分の運命の人だと確信します。離れたところから慕い続け、15歳で高寿さんに会いに行き、20歳になれば相思相愛になることを知ります。
20歳で高寿さんと過ごす30日間を経験し、お互いが相手を助ける、二人で一つの命であることが分かります。 この後は高寿さんの記憶のとおり、30歳、35歳で高寿さんに会い、高寿さんの記憶のとおりに接しています。
高寿さんにとっても同じで、20歳で二人の関係を理解し、愛美さんの記憶のとおりの役割を果たします。 25歳で15歳の愛美さんにあった際にこれから起こることを伝え、35歳で我々の世界に来た5歳の愛美さんを助けることになります。

ケイ
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