「さあ、仮装舞踏会(パーティ)を、楽しもうではないか。」レディ・プレイヤー1 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
さあ、仮装舞踏会(パーティ)を、楽しもうではないか。
突っ込みどころ満載。 突っ込みまくれ!
一人でにやけても良し、皆で盛り上がっても良し。
イースターエッグの如く、ちりばめられたキャラクター、BGM、台詞、シチュエーション…。
あれ?このトラックの下の潜り抜け方、何の映画だっけ?
そんな、既視感溢れる映像・BGM…、それだけでもテンションが上がりまくる。
メジャーなものから、マイナーなものまで、温故知新。
しかも、あの映画にこの場面を掛け合わせるなんて…。
チャッキーの最強!恐るべし!
それだけでも、キャアキャア言ってしまう。
ゲーム好きの心をくすぐる場面は他にもある。
銃を振りかざしたソレントが、撃つのも忘れて思わずウェイドを見つめるシーン。
敵会社のブレーン達。
敵会社の一員が、最後の問題のゲームに取り掛かる前に、それがやりなれたものだと知って始める時の表情。
本当に、ゲームが好きなんだなあ。でなければ、あんな表情思いつかないよ。
原作未読。
原作を読まれた方からは『薄っぺらにした!』と怒りの声も聞く。
うん、謎解き要素は、かなり雑。ご都合主義と言われても仕方ない。
映画が設定した社会の問題は何も変わっていないから、主人公の活躍も「だから、何?」とストーリー重視の方から突っ込みがあってもおかしくはない。
そこが、スピルバーグ監督の強みでもあり、弱みでもあると思っている。
『ブリッジ・オブ・スパイ』でも、『宇宙戦争』・『マイノリティ・リポート』でも、難しい背景や哲学的な部分はさわりだけ見せて、見事にそぎ落とし、監督が描きたいヒューマンドラマ、もしくはアクションを、とても解りやすくまとめて描き出す(この映画でも、社会構造はともかく、ゲーム依存・それによる破産等は描きながらも、棚上げ)。
さながら、壮大なる小説を、児童書にまとめるが如く。
観客が喜ぶツボ・興奮するツボ・感動するツボを見事に探り当て、それを映画として表現する。
それをあざといと見るか、薄っぺらいとみるか、ハマるか。
今回、私はハマった。
「リアルが大切なんだよ」
唐突に出てくるメッセージ。そして、ジェームズとオグとの関係性から導き出されるこの映画のテーマ。今一つ、脚本的に練りこまれているとは言えない。
でも、散りばめられた前振りはある。
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<以下、ネタバレに近い記述あります>
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三つの鍵を集めた後に、さらに試練て、なにそれ詐欺!と叫びそうになった。
けれど、その後の展開をみれば、とても重要なシーン。気持ちよくねじ伏せられてしまった。
仲間が集まる過程も、一見ご都合主義。
ふつう、アバターと現実の人との一致って、そう簡単にはいかんやろ?(オフ会に出たことがない身での思い込み?)
でも、姿かたちは変わっても、言葉の使い方、言い方、身のこなし、二人で交わした会話で同定していく。
確かに、現実世界から逃れた仮想現実なんだけれど、身体能力とか、教養・主義、相手に対する態度とかは、あくまで現実の反映、生き様。
それに何より、謎を解く武器は、ハリデーを尊敬しているハリデーオタク。ただ、”知識”としてハリデーのことを知っているだけではない。ハリデーのことを理解しようとし、ハリデーの身になって考え行動しようとするその思いが、謎を解く。
確かに、彼らが活躍するのは仮想世界。だが、そこに、真剣に相手を理解しようとする人間としての触れ合いがある。
現実世界で、相手を理解しようともせずに、通り一遍の儀礼的付き合いで済ませているのと、どちらがリアルなのだろう?
なんてことを考える。
でも、やっぱり、教訓を得たり、感動したりというより、とにかく楽しむための映画!
巨大な花火、百連発的な。
一夜の夢の世界へいざ行かん。
【余計なお世話】
著作権処理、大変だったろうな。
監督だからこそ、成しえたこと?
監督・制作と、著作権を許可した方々に感謝!
なるほど確かにそうですね。私はゲームや戦いものにあまり興味がないのですが、そんな私でも、音楽に興味がないとみいじょんさんでも楽しめた大成功の作品でしたね!
版権なんて全く気にしませんでしたがw、あれだけヒット曲が使われたら版権だけでもお金かかってますよね。でもあの音楽のおかげで高揚感が爆上がりしましたから、しみじみ音楽の力を感じました!
コメント&フォローありがとうございます。
やはり、ぴあ映画生活のとみいじょんさんでしたか。
懐かしいですね。奇遇ですね。
こちらこそ、また、映画談義ができることを楽しみにしています。
では、また共感作で交流しましょう、
-以上-
はじめまして。とみいじょんさん。
みかずきです。
こちらのサイトには、本年2月に登録したばかりです。
よろしくお願いします。
確認させて下さい。
ぴあ映画生活に在籍されていた、とみいじょんさんでしょうか?
-以上-
コメントありがとうございました。
> シンプル=薄っぺらいではない
同感です。言葉足らずでした。自分が話言葉で使う時は、"薄っぺらい"=批判、ではなく、"薄っぺらい"=愛 な感じで使っているので、筆がすべりました。申し訳ない。"シンプルだけど深く心に届く" ですね。
俺は怪獣映画を好きなのですが、エンタメの中で描くと、シンプルで薄っぺらな人情ドラマが、やたら心に響くんだよな、とは感じてました。スピルバーグ監督は、狙って、それをやっているのかも知れませんね
> 壮大なる小説を、児童書にまとめるが如く
なるほど、なるほど、なるほどです! 我が家の20代の家族は、本作を楽しみながらも、「最後の『リアルが大事』は、唐突だし説教臭いし、スピルバーグも年寄りだな」と言ってました。
これは、とみぃじょんさんが教えてくれた "大胆なデフォルメ" から来てるんですね。
めっちゃ、ためになりました!