劇場公開日 2018年4月20日

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「さあ、仮装舞踏会(パーティ)を、楽しもうではないか。」レディ・プレイヤー1 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5さあ、仮装舞踏会(パーティ)を、楽しもうではないか。

2020年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

萌える

突っ込みどころ満載。 突っ込みまくれ!
 一人でにやけても良し、皆で盛り上がっても良し。

イースターエッグの如く、ちりばめられたキャラクター、BGM、台詞、シチュエーション…。
あれ?このトラックの下の潜り抜け方、何の映画だっけ?
そんな、既視感溢れる映像・BGM…、それだけでもテンションが上がりまくる。
メジャーなものから、マイナーなものまで、温故知新。
しかも、あの映画にこの場面を掛け合わせるなんて…。
そして、チャッキーの最強さ!恐るべし!
それだけでも、キャアキャア言ってしまう。

ゲーム好きの心をくすぐる場面は他にもある。
 銃を振りかざしたソレントが、撃つのも忘れて思わずウェイドを見つめるシーン。
 敵会社のブレーン達。
 敵会社の一員が、最後の問題のゲームに取り掛かる前に、それがやりなれたものだと知って始める時の表情。
 本当に、ゲームが好きなんだなあ。でなければ、あんな表情思いつかないよ。

原作未読。
原作を読まれた方からは『薄っぺらにした!』と怒りの声も聞く。
うん、謎解き要素は、かなり雑。ご都合主義と言われても仕方ない。
映画が設定した社会の問題は何も変わっていないから、主人公の活躍も「だから、何?」とストーリー重視の方から突っ込みがあってもおかしくはない。

そこが、スピルバーグ監督の強みでもあり、弱みでもあると思っている。
 『ブリッジ・オブ・スパイ』でも、『宇宙戦争』・『マイノリティ・リポート』でも、難しい背景や哲学的な部分はさわりだけ見せて、見事にそぎ落とし、監督が描きたいヒューマンドラマ、もしくはアクションを、とても解りやすくまとめて描き出す(この映画でも、社会構造はともかく、ゲーム依存・それによる破産等は描きながらも、棚上げ)。
 さながら、壮大なる小説を、児童書にまとめるが如く。
 観客が喜ぶツボ・興奮するツボ・感動するツボを見事に探り当て、それを映画として表現する。
 それをあざといと見るか、薄っぺらいとみるか、ハマるか。
 私は、ハマった。

「リアルが大切なんだよ」唐突に出てくるメッセージ。そして、ジェームズとオグとの関係性から導き出されるこの映画のテーマ。今一つ、脚本的に練りこまれているとは言えない。
でも、散りばめられた前振りはある。

<以下、ネタバレに近い記述あります>

三つの鍵を集めた後に、さらに試練て、なにそれ詐欺!と叫びそうになった。けれど、その後の展開をみれば、とても重要なシーン。気持ちよくねじ伏せられてしまった。

仲間が集まる過程も、一見ご都合主義。ふつう、アバターと現実の人との一致って、そう簡単にはいかんやろ?(オフ会に出たことがない身での思い込み?)
 でも、姿かたちは変わっても、言葉の使い方、言い方、身のこなし、二人で交わした会話で同定していく。
 確かに、現実世界から逃れた仮想現実なんだけれど、身体能力とか、教養・主義、相手に対する態度とかは、あくまで現実の反映、生き様。

それに何より、謎を解く武器は、ハリデーを尊敬しているハリデーオタク。ただ、”知識”としてハリデーのことを知っているだけではない。ハリデーのことを理解しようとし、ハリデーの身になって考え行動しようとするその思いが、謎を解く。

確かに、彼らが活躍するのは仮想世界。だが、そこに、真剣に相手を理解しようとする人間としての触れ合いがある。
現実世界で、相手を理解しようともせずに、通り一遍の儀礼的付き合いで済ませているのと、どちらがリアルなのだろう?

なんてことを考える。

でも、やっぱり、教訓を得たり、感動したりというより、とにかく楽しむための映画!
巨大な花火、百連発的な。
一夜の夢の世界へいざ行かん。

とみいじょん
みかずきさんのコメント
2022年4月3日

コメント&フォローありがとうございます。
やはり、ぴあ映画生活のとみいじょんさんでしたか。

懐かしいですね。奇遇ですね。
こちらこそ、また、映画談義ができることを楽しみにしています。

では、また共感作で交流しましょう、

-以上-

みかずき
みかずきさんのコメント
2022年4月1日

はじめまして。とみいじょんさん。
みかずきです。

こちらのサイトには、本年2月に登録したばかりです。
よろしくお願いします。

確認させて下さい。
ぴあ映画生活に在籍されていた、とみいじょんさんでしょうか?

-以上-

みかずき
CBさんのコメント
2021年1月7日

コメントありがとうございました。
> シンプル=薄っぺらいではない

同感です。言葉足らずでした。自分が話言葉で使う時は、"薄っぺらい"=批判、ではなく、"薄っぺらい"=愛 な感じで使っているので、筆がすべりました。申し訳ない。"シンプルだけど深く心に届く" ですね。

CB
CBさんのコメント
2021年1月6日

俺は怪獣映画を好きなのですが、エンタメの中で描くと、シンプルで薄っぺらな人情ドラマが、やたら心に響くんだよな、とは感じてました。スピルバーグ監督は、狙って、それをやっているのかも知れませんね

CB
CBさんのコメント
2021年1月6日

> 壮大なる小説を、児童書にまとめるが如く

なるほど、なるほど、なるほどです! 我が家の20代の家族は、本作を楽しみながらも、「最後の『リアルが大事』は、唐突だし説教臭いし、スピルバーグも年寄りだな」と言ってました。
これは、とみぃじょんさんが教えてくれた "大胆なデフォルメ" から来てるんですね。
めっちゃ、ためになりました!

CB