ダンケルクのレビュー・感想・評価
全607件中、381~400件目を表示
「考えるな、感じるんだ」
凄惨の果てにおいて護られる秩序と尊厳が眩しく心に残りました。
戦禍のなかの美を透して描かれる人間賛歌ですね。
普通の戦争映画とは違う、と評されている理由はきっとこのあたりかな。
そして、この枠にはまらないスケールの壮大さこそ、
クリストファー・ノーラン監督の持ち味ではないでしょうか。
物語をこしらえたとき、視点がその内側にではなく外側にある感じ。
運命のタクトを振る神の真横で、惨劇を静観させる席につかせる。
残忍でもあり達観もしているその視点は、
不思議と詩的な基底をもっているなと思いました。
セリフが少ない、IMAXがよい、という意見の言わんとすることは、
この映画が、陰影と動静のコントラスト、シークエンスの配置で描く
詩的な映像コラージュだとも言えるからでしょう。
もしもう一度観る機会があるとしたらその時は、
筋立てを追うような意識はあまり持たず、
シーンを感じとれるままに感じとることに努めたいですね。
「考えるな、感じるんだ」みたいなノリで。
そして現地に居合わせずして、
経験しがたきことその何分の一かでも、疑似体験しえたことになれば、
測り知れない値打ちをその映画から享けたことになります。
この映画はそういう方向にもいざなってくれているように思います。
船体にあいた銃痕から光が差し込む。
絶望の淵でのわずかな希望のようにも映るが、それは死と隣り合わせ。
悲しいかな紛争は先に内から起こり、混乱はすぐに誰の手にも負えなくなる。
銃痕から注ぎ込んだ光と水、死とそれに抗う生。
潮に船が運ばれていくように、時間と運命に委ねられて、
一切が転覆し、先刻の希望も絶望も跡形なきものとなった瞬間、
息つく間もなく新たな苦難に見舞われる。
このように、ひたすらに忍耐と幸運が試されるのは、
なにも世界大戦という巨きすぎる人災がこしらえた
とある敗戦地に限った状況ではありませんよね。
過去と未来の瀬戸際で、多かれ少なかれ人はみな、
希望と絶望、時間と運命に翻弄されるがままの
ダンケルクの一員なのですから。
IMAXで見ないなら見なくていいのでは
大画面の迫力が続くので3時間くらいに感じた。空中戦が長く退屈。
敵は「ドイツ軍」ではなく、ただ「enemy」と呼ばれ、最後まで1人の顔も出てこない。血もリアルな死体もなく戦場の生々しさはない。
戦争映画ではなく、戦場アトラクション映像に感じた。
ケネスブラナーとマークライランスだけが物語を感じさせる。決死、というわりにだいたい助かるし。
30万人には見えなかった。せいぜい3万人。スケールの小ささが残念。30万人乗せるには船が少なすぎ、現れた船に逆に絶望感を感じたが。
撤退戦とはいえ、このあと勝つ人たちの映画だなと思う。インパールや硫黄島とは違う。
これは戦意高揚映画なのだろうか?空軍の志願者は増えそうだ。
ダンケルクの影でカレーでは死闘が繰り広げられていたらしい。
感動…は別にしないだろう。なんでも感動をうたうようなつまらない宣伝をしないでもらいたい。
IMAXが絶対の映画
覚悟を持って観る作品
何も語らない戦争映画好きな方はどうぞ
救出を待つイギリス兵(フランス兵少々)、救出に向かう民間船&イギリス空軍と3視点からのダンケルク脱出映画でした。
時間軸が少しずれているなど変わった工夫があるものの、セリフあまり無し&主人公が居ないっちゃいない&感動させようとする内容でもない為、ひたすら戦争での脱出劇を見せられる。
イギリス歩兵が戦う訳でもない為、凄い戦争ドンパチを期待しては行けません。
ドイツの戦闘機は出てきますが、ドイツ兵が出てくる訳でもありません。
他の戦争映画と違い、根本的にベクトルが違う作品。
この違いにより絶賛する人が居れば、ある人は退屈でしょうがないと思うはずです。
私は後者よりでした。全編戦争撤退映画だとは分かっていましたが、ここまでドンパチしないのは、、、、。
ドンパチより、サイコロ人生ボードゲームにしか見えませんでした。(イギリス兵が数歩進んで、途中スタート地点に戻されて的な)
映像は凄いです。しかし、戦争の迫力は個人的にプライベートライアン、ハクソーリッジ、フューリー、フルメタルジャケット、ブラックホークダウン等よりは下。
何も語らない戦争映画好きな方はどうぞ。
ノーラン監督節に酔いしれました
独創的な世界観
あくまで戦争
IMAX用の映画
自分的には惜しかった
軍人といえども英国紳士
盛り上がらない映画
酔った
すごい映像でした
戦場の音、大多数の本能の群れ、砂粒の英雄
IMAXにて観賞。初体験だったのですが、凄いですね。とりあえず見終わった後にものすごくお尻が痛くなったw、と言うことは、こころだけでなく身体も消耗していたのです。飛び交う弾丸の音や爆撃の音、何かが軋む音、破壊された音など、この世であまり頻繁には聴きたくない音のオンパレードかつ、終始不穏なBGM。いちいち身体が反応してしまうほどでしたので、戦場で魚籠ついている二等兵の如しでした。
あれで、PTSDにならない方がおかしいですよね。
ストーリーやキャラクターについては、割愛w、史実通りの所も有るでしょうし、誇張した点や創作した点もあると思われます。
個人的には、ストーリーが解らないのが面白い所だと思いますし(と、言ってもキチンと最期には集約されてます)、主要キャラクターが例え全員戦死していたとしても、憤りやドラマの無さを責めることは無かったと思われます。本来、古来より戦争でドラマが生まれるのは、生き残った者がいるからだと思います。しかし、特に近代に入ってから国家が、国民国家の概念が成立してから、ドラマがないと戦いを始めることすらできなくなってしまいました。また戦争が、国民とゆう膨大な人間を基にしているが故に数字に囚われすぎたからとも云えますが。
つまり、この作品の肝や裏のメッセージは、戦争でのドラマなんて、フィクションか後付けなものであり、数字なんて、さらに不気味なものに過ぎない~ということではないでしょうか。英雄的行為は、萌芽にすぎず兵士はただただ死んでいくばかりー特に撤退戦ですからね。
星を4つとさせて頂いたのは、僕みたいに、近現代の戦場を実際に参加してる雰囲気を味わいたい変態は少なく、一般的な受けがどうか?という点と、制限がかかっているとは言え、子供には見せられないかな?という点を引かせて頂いただけで、僕にとっては満点の映画体験でした。ただ、身体が痛くなるので、もう一度映画館で見るとなると、、、今度はぎっくり腰になるかも知れないww
全607件中、381~400件目を表示