「やれやれだぜ、というコングのつぶやきが聞こえそう」キングコング 髑髏島の巨神 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
やれやれだぜ、というコングのつぶやきが聞こえそう
サミュエル・L・ジャクソンはいつでもサミュエルの演技なのに、役の方が彼に合わせてくるから、いつも違和感がないという稀有な役者さんですね。本当は、とても努力してきたのだと思いますが、演技力なんてクソ食らえ、好きに演じてればいいのさ、みたいな潔さを感じさせてくれます。
ダイ・ハード3でも、キングスマンでも、トリプルXでも、なぜか始めからこの役はこの人しかいない、と思わせてくれる。中途半端に改心したりしない峻烈さは群を抜いています。きっと、ブレないコングにもその苛烈な潔さが伝わったので、相撲の仕切りのような睨み合いが成り立ったのですね。
コングのトカゲ退治も島を守るのは俺だ的な気負いよりも『仕事ですからやるしかないでしょ。ま、やる時は本気出すけどね』みたいな密やかな矜持が感じられてとてもほっこりしました。人間が余計なことをやらかして仕事が増えたので、今頃寝床で空条承太郎のように、やれやれだせ、とつぶやいているのかもしれません。
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