劇場公開日 2017年3月25日

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「巨大なる魔神」キングコング 髑髏島の巨神 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0巨大なる魔神

2017年3月27日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館

楽しい

単純

興奮

まさか本当にこんな日がやって来るとは…!
日米で怪獣映画が競作。
日本では去年『シン・ゴジラ』が大ヒット、またゴジラの新作は作られるだろうし、ガメラの新作の噂もある。
ハリウッドでは、レジェゴジや『パシフィック・リム』の続編もあるし、そして何と言っても、2020年には『ゴジラvsコング』!
『ゴジラvsコング』ですよ、あなた!
その時期には半世紀ぶりに東京で開かれるスポーツの祭典に日本中が沸き上がってるだろうが、その日本の片隅で一人、半世紀ぶりの日米怪獣王の再戦に浮き足立ちまくってるに違いない! って言うか、2020年まで絶対に死ねん!
さて、レジェンダリーによる『GODZILLA』から始まったプロジェクト“モンスターバース”の最新作、新生キングコング!

はっきり言って今回のキングコング映画、邪道でもあり、根っからのコングファンには賛否あるだろう。
『ゴジラvsコング』の壮大な前振りに思われても仕方ない。
やはりキングコングと言ったら、“美女と野獣”的な話じゃないとダメ!
確かにそれらの意見も充分分かる。自分も見ながら、それら多少の違和感を感じた。
でも、それらを考慮しつつ、メチャクチャ興奮しまくった!

伝説上と思われていた島に上陸した人間たち。が、そこでは彼らは招かれざる客もしくはちっぽけな虫けらの存在であった。
巨大生物たちが大暴れ!大バトル!
こりゃ完全に、超A級的スケールと予算をかけた、昭和の東宝特撮のような“怪獣島の決戦”じゃねーか!
堪らん!
中でも、文字通り島の“キング”に相応しいコング。
ピージャク版で3頭の肉食恐竜相手に画面狭しと暴れまくって激アツだったが、今回もエキサイティング!
だって、今回のコングは“ファイター”なのだから。
さらに、身長が米版ではこれまでで最大。米版ポスターにもなっているあのシーンにはしびれた!
ちゃんと美女との絡みも用意されている。
強く、恐ろしく、カッコよく、そして優しく、愛らしい。傷だらけの姿は孤高のヒーロー。
こんなコング像、こんなコング映画、あってもいいと言うより、最高ではないか!

コング以外にも島を蹂躙する怪獣たち。(敢えてもう怪獣と言わせて貰う)
何つっても、スカルクローラー!
あの不気味な造形、獰猛さ、凶暴さ、今回のコングの最大のライバルとして相手に不足ナシ! 是非ともゴジラとも…(笑)
その他の怪獣たちも、怪獣ファンを唸らせるような強烈インパクト。
使徒にカオナシに乙事主にクモンガ(笑)…あちこちで言われてる通り、日本カルチャーへのオマージュが満載。
アレと戦うシーンなんて、『キングコング対ゴジラ』のあのシーンそのもの!
日本カルチャーの熱烈なファンであるという監督ジョーダン・ボート=ロバーツ、よし、覚えた!

正直、人間ドラマ部分は取って付けたようなものだが、人間の傲慢への神の怒りが分かり易く描かれている。
舞台設定は1970年代。これもオマージュを捧げられている『地獄の黙示録』のような雰囲気を構築。ヘリのシーンとかまさしく!
トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、ジョン・グッドマン、ジョン・C・ライリーら怪獣映画に心強い実力派。
キャストで印象残すのは、ライリーも良かったけど、やっぱりサミュエル!
そうか、これは、コングvsサミュエルでもあったのか!(笑)

半世紀の時を経て、今度はハリウッドが贈る超ド直球、王道の怪獣映画!
最初から最後まで、もう、ワクワクワクワクが止まらない!
話題になっているエンディングのオマケ映像。
すでに知っている方も多いと思うが、敢えて、嗚呼、言いたくても言えない!ご自分の目で!

今回、レビュータイトルに悩んだ。
“怪獣島の決戦”でも良かったけど、『キングコング対ゴジラ』でのコングの呼び名を。
やっぱり今回のコング、色んな意味で“神”と表されるのに合っているから。

惜しむらくは…
地元の映画館でタレント吹替でしか上映されなかった事…(T-T)

近大
CBさんのコメント
2019年10月5日

ほんと、映像すごいですよね。
自分のレビューにも書いたのですが、円谷英二監督に、この技術が確立された世界で、自由に撮ってみてほしかったです!

CB
しゅうへいさんのコメント
2018年7月4日

怪獣映画への情熱が迸るレビューですね。拝読しこちらも大共感致しました!
でも何と言っても、我々としては最後の壁画に描かれた“彼ら”に注目し、期待してしまいますよね!
確かに、近大さんの仰る通り、邦題はそれで行かなくてはいけませんね!(笑)
私が書いたレビューは思い出しながらだったので、もう一度本作を観返すことにします!

しゅうへい
浮遊きびなごさんのコメント
2017年4月14日

近大さん、コメントありがとうございます!
いやいやホントにお久し振りです。
早速コメントいただけて非常に嬉しいです。

年末からここまでにかけて仕事がやたらと
忙しくなったり親戚が体調崩したりとまあ
色々変化がありまして、レビュー書く時間と
気力がちょっと落ちてしまってですね……。
とはいえ映画は毎週観てますし、近大さんや
他の方々のレビューもちょくちょく覗かせて
もらってました。
(こちらのレビューにも既に共感票入れてました)

今回の『キングコング~』がまあ面白かったので、
久々にレビューを書きたくなって顔を出した次第。
僕のレビューはどうしても長文になるので、
筆を取るまでに躊躇しましたが、一度
書き始めてしまえばやっぱ楽しいですね。

さておき、まさかここまで王道かつ楽しい映画
になるとは予想外でしたね! 今回のキングコング。
いつもレビュータイトルで迷うんですが、今回は
ゴジラ映画風タイトルで迷い無しでしたよ。
(人間混じってますけどサミュエル氏は
 一種の怪獣だと思ってます)
『キングコング対ゴジラ』オマージュも
やっぱりそうだったんですね~。
探せば大量に小ネタ仕込んでるようですし、
この監督さんも相当なギークですね(笑)。
四大怪獣には今からニヤニヤが止まりません!

ではではこの辺で。
次回レビューでお会いしましょう!

浮遊きびなご