「登場人物、回想の多さによるごちゃつきが気になる」ザ・コンサルタント きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物、回想の多さによるごちゃつきが気になる
主人公の設定が斬新で期待していたのですが、全体的にパッとしない感じを受けました。話の起伏もあまりないく、盛り上がりに欠けるような…。
主人公の過去を印象的に描写していた割に細切れで、中途半端な描写に感じてしまいました。母親が出ていってしまうまでの過程や、その後兄弟がどのように育ったのか。弟の扱いにも雑さを感じ、行き当たりばったりに思いました。仲がいいのか悪いのか…。再会の割に感動もなにもないですし。
葬式で主人公が暴れてしまったのは、部外者扱いで追い出されそうになったから?母親に関わることだから感情的になってしまったんでしょうか?
主人公、商務省、ロボティクス社、暗殺集団などなど、登場人物が地味に多いのですが、その絡ませ方があまり上手くいってない気がしました。特にレイとメディナ。主人公との意外な関係は判明しますが、その先に何かもう1つ欲しかったかなあと。
その関係をレイ自ら告白するのもなんだかあっけなさすぎるというか…メディナがレイを疑った末に…とかの方がおもしろくなったような。
刑務所内の回想も内容としてはいいものなのですが、短い回想が多く挟まることで、作品全体がごちゃごちゃした印象になっていてもったいないです。
もちろんいい部分もありました。小道具は良かったです。主人公のいかにも神経質らしい整頓されすぎた部屋や生活の様子、絵画など。あとは凹んだ水筒の持つ意味も。
ヒロインのデイナは飾らない気さくで素敵な子で好印象でした。彼女が寝ていて主人公が扉の開閉音で起こそうとするシーンはおもしろかったです。
あとは監査時の窓ガラスまで文字でびっしりにするのが視覚的におもしろかったですし、主人公の数字に対する能力の高さも表現にもなっていました。
ラストはなんとなく爽やかさがあって良かった。主人公の協力者のこともなるほどと思ったし、絵を贈るのも素敵でした。