劇場公開日 2017年1月21日

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「秀逸キャラのアンチヒーロー、一作限りではもったいない!」ザ・コンサルタント AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0秀逸キャラのアンチヒーロー、一作限りではもったいない!

2017年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

興奮

自閉症の天才、サヴァン症候群のキャラクターはこれまでも数多く映画に登場してきた。しかし本作の主人公・ウルフがユニークなのは、会計士という表の顔と暗殺者という裏の顔を持ち、それぞれで天才的能力を発揮する点。会計士としては、大手企業の十数年に及ぶ帳簿を一夜にして精査し、不正を暴いてしまう計算能力。暗殺者としては、命中率100%のスナイパーで、格闘術も達人の域。

ベン・アフレックは、決して感情表現が豊かな俳優ではない。キャスティングが的外れで、さらに演出も合わなかったために、残念な結果に終わった作品もあった(「トータル・フィアーズ」や「デアデビル」を思い出そう)。でも本作は、表情の乏しさがむしろ奏功し、自閉症という設定にある種の説得力を持たせているし、図らずしてボケを繰り出す天然キャラ的なユーモアにもよく馴染むのだ。

アフレックの新たなハマり役、続編が製作されることを心から期待する。

高森 郁哉