「病める米国、差別に気づかない米国」ザ・コンサルタント りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
病める米国、差別に気づかない米国
謳い文句は「職業、会計コンサルタント。本業、腕利きの殺し屋」。こういう設定、割と好きだが・・・
田舎町で会計士を営むクリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)。
小さな会計問題にも口添えするが、本業は裏社会の会計士。
彼の存在を暴くべくFBIの特別チームが目を付けた・・・
という割とストレートな感じのハナシなのだが、巻頭から、よくわからない。
シカゴがどこかでの大量殺人、心的障害(アスペルガー症候群)を負った幼い兄弟、裏社会の会計士を追う捜査官、と多様な要素満載で巻頭から描かれます。
まぁ、映画を観つづけていれば、このあたりで多少の予想はつくのですが、面白い映画ではその予想が裏切られる。
だけれ、この映画では、まったくそんなそぶりもない。
不正会計が判明した大企業の実態解明にウルフが赴くあたりで、大体の絵姿がわかってしまう。
うーむ、こんな程度の筋書きがわからないと思っているのか・・・とも嘆息する間もなく、130分の尺の映画は進んでいきますが、謎なんてほとんどない。
そんな事件を解決するウルフが、・・・・・だということが判り、それを阻止しようととする敵が・・・だとわかっても、ほとんど驚かない。
その上、タチが悪いのは、ウルフのキャラクター。
おいおい、彼って、・・・・なの。
それが、親の地獄のような特訓で、超人的力を得たってことになっているが、それって、どうなのよ。
結局、力(それも暴力的なもの)を得ないと、米国では生きていけないってこと!?
もう、ほとんど差別意識が溢れまくりな感じ。
そういえばベン・アフレックって『デアデビル』にも主演していたし、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』の脚本も書いていたなぁ。
うむ、これでは、方向性がいいとは言えないのではないかししらん。