ハドソン川の奇跡のレビュー・感想・評価
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ただ心地よい
今作の妙味は編集にあるだろう。
導入部はシンプルで静かに、そして不穏な雰囲気で始まりやがて核心の着水シーンを観ることになる。しかし観客の多くはその価値をまだ真に理解してはいない。
直後には世間から英雄視された機長たちだが冒頭で示されている通り彼らの判断には「疑惑」があった。調査委員会によっていくらかの事実が明らかになっていくがそれらは機長たちの語る証言とは異なるものばかりだ。
この辺りから時系列を行きつ戻りつさせており、時にはわかりづらいカットもあるがそうすることで注意を喚起させている。着水のシーンを違う立場、視点から繰り返し描くことでこの事件の全体像が徐々に明らかになっていく。
そうしてテンションを上げたところでクライマックスになる公聴会が緊張感を持って始まる。ここからはまたシンプルに進行しやがて大逆転、そしてシャレの効いた終結で締める。
こうして振り返ると楽曲のようである。イーストウッド一流の編曲とでも言うべきか。そうした味わいがベースにありつつ、機長たちの極めて優れた判断の素晴らしさをことさらに持ち上げない抑えた演出が効いているし、また何と言ってもこの奇跡に寄与した多くの善意、良心が染み入ってくるのだ。
この事件を描くのにこれ以上の回答があるだろうか。
作品の脚本、構成に工夫が見られる優れた作品。従来のこういう作品は、...
作品の脚本、構成に工夫が見られる優れた作品。従来のこういう作品は、事故の前日談や人物設定をして盛り上げに事故を持ってきそうだが、今作はあくまでも事故後をメインとし、事故シーンを回想&再現シーン(当然、盛り上りシーンではあるが)で所々に散りばめ工夫された作品としている。機長はヒーローか犯罪者か、機長は気がおかしくなってしまうのか....サスペンスフルな展開にも目が離せない。イーストウッド監督作にたまにある、課題残しやアンハッピー(それもまた良いが)でなく、スカッとした幸福感のあるエンドにも好感。実話とはいえ、この物語はホント素敵だ。アカデミー候補作品である事は間違いない。
155
良い作品であった。
機長の目線が細かく描かれていて、非常に丁寧な印象をうける。
その心に受けた傷も、守るべきものの所在も、しっかりと伝わってくる。
途中退屈な場面もあるにはある。
短いというか、食い足りないとは思わなかったから最良の尺だったのだろう。
どおいう魔法をかけられたんだか分からないが、主人公が救出された人数を告げられ、誰一人死者が出なかったと知った時
「155」
と呟く。
その一言に泣かされた。
最後が笑顔だった。
笑い合える瞬間が訪れた事が、何より嬉しい事なのである。
すべてが奇跡。
2009年のニュース映像は今でもハッキリ覚えている。
そうか、あの時の奇跡がこの映画なんだ!と心待ち
にしていた矢先、タイミングよくNHKで実録を見た。
するとこの奇跡は、もちろん映画タイトルのサリー
機長の第一の決断と着水成功によって為されたもの
ではあるが、その後の民間船による救出劇が第二の
奇跡を生んだことがよく分かった。どの数字も凄い。
エンジン停止から着水まで208秒、最初の船が到着
するまで4分、155人全員救出完了まで24分、そして
その一部始終を描いた映画が96分という短さ(拍手!)
一体どこが悪いっていうのと文句も言いたくなるが、
そもそも事故調査委員会っていうのはどのケースも
そうやって検証しなければならないのだから、彼ら
だって(やりたくなくても追及せねばならない)仕事。
着水の是非が激化し、シミュレーションがいかにも
空港に着陸可能と示すのだから機長の苦悩も深まる。
そこでサリーは人間の判断として35秒の猶予を希望
するが実際は58秒だったのらしい。ならば208秒から
更にその時間を引くことになり引き返せる筈もない。
飛行機テロとの関連しか考えられない時期にあって、
地上への被害を出さないためにはどうしたらいいか。
現実的な楽観主義と迅速な救助が悲劇を食い止めた
かつてない救出劇は緊張を保ったまま上映を終える。
トムの苦悩に満ちた表情がラスト本人の笑顔で覆る。
(実際に救出にあたった民間船船長も出演しています)
この実話はテレビで観たことがあり、テレビで観ている時は携帯などを触...
この実話はテレビで観たことがあり、テレビで観ている時は携帯などを触りよそごとをしながら観ていて
乗客の人たちのことだけを考えてみていました。
もちろん、乗客の人たちはどんだけ怖かったんだろと思いました!!
この実話を映画で観て、機長さんはもっと怖かったんだな!と思いました。
機長さん、副機長さんはあの状況の中よく冷静でいられたなと思いました!
映画でもシュミレーターであったとおり
もしハドソン川に落ちていなかったら
被害がどんだけおおきかった物かを知れました!
サリーさん役のトム・ハンクスさんに奥さんが
「155人の中にはあなたも入っている」と言う言葉に心をうたれました!
最後のジョークは良かった!
エンディングで本人が登場しているシーンも良かったです!
この映画観れてよかったです^_^
みなさん是非観てください!!
ハイクオリティ作品
イーストウッド史上ベストとかそういう作品ではないと思う。
しかし、「ハドソン川の奇跡」という邦題のイメージで観に行ったら、原題の「SULLY」というのがピッタリの作品だった。
機長の映画だったんだなって、そして完璧な人間なんていない、だからミスもする、妥協もする。だから彼のヒーロー映画みたいな安い作りにもなってない、そこはさすがイーストウッド!
イーストウッドの映画だからある程度のクオリティは保証されてるから安心して観に行けるし、そして観終わったあと十分に元を取れるという意味では観るべき一本と言える。
すごくよかった
『ブリッジ・オブ・スパイ』など、偉業をきちんと讃えようというムーブメントがあると思う。ただこの映画は偉業が貶められそうになっているのをきちんと偉業であったと裏付ける様子を描いていた。
現場での出来事など何もしらず、実際に携わってもいないのに憶測で分かった気分になって判断したり批判する連中には普段からムカついてしょうがないのだが、調査委員会の連中がまさにそんな感じでイライラした。
飛行機の場面がすごくリアルで恐ろしかった。着水は機長の腕がいいのか安全に見えた。着水で失敗して大破する幻覚なども見せてほしかった。
救助にあたった人々が一丸となって作業している姿に涙が出た。
現場が全て
実話を基にしているし、オチも知ってる。
そんな中で、どうやって映画を盛り上げ見せるのかなと言う興味、トムハンクスだから外れないだろうという考えの中鑑賞。
あらすじは予告編やフライヤーのまま、『ハドソン川の奇跡』と言われたハドソン川への不時着で乗員全員が助かったお話。
そして機長はヒーローとなり一時時の人に。
これが報道されて知っている情報。
-----ここからややネタバレ含み(全く流れを知りたくない人は以下読まないでください)-----
でも実際は、事故を審査する部門から「本当に川に着水するしかなかったのか?本当は空港に戻れたのでは?」と投げかけられる。
同じ状況でのシュミレーションでも空港に戻れた。
「事故の原因を究明するため」という仕事をしている立場の人からすると、やはり原因は知らなければならない。
でも現場には現場の意見がある。
周りもフォローしたくともシュミレーションの結果がある手前、何とも言えない。
流れは完全に機長の判断ミス。どう立証するか?
トムハンクスが立証したあの瞬間、「どうだ!お前ら見たか!」ではなく、「現場ではこういうことが起きる。現場にいないと分からない。」という考えが全面に出ていて良かった。
これは普段の生活でも言えるなと思った。
正しいことをどう証明するか。相手を負かすのではなく、自分たちがしてきた正しい事と事実、そして角度を変えて見ると、結果として相手を納得させることが出来るのではないかと思った映画だった。
にしてもトムハンクス。
ハマるわ。
賞賛の裏側に!
実に冷静に当時の【世界中の賞賛】の裏側を描いている映画だと思う。
何十億もする飛行機一隻を川底へ沈めてしまったんだから、その金を回収するためになんとか保険料工作をする現実とただただ155人の命の重みを背負って瞬時の自分の判断を信じきって対応する様を丁寧に冷静に描いている映画だなぁと思う。流石、クリントイーストウッド!!!!
世間を騒がす事件には必ず表裏があることを感じさせてくれるいい映画です。
2Dでも4DXなみの迫力
墜落(緊急着陸)のシーンがリアルで音の振動だけでも4DXなみ?
最後に、主人公の行動の正当性が証明されて感動❗
しばらく飛行機に乗りたくなくなるえいがでもあります。
エンドクレジットでリアル主人公たちが出演します。
みなさん最後まで見ましょう!
イーストウッド監督はやはり
期待を裏切らないなぁ。なかなか2時間近く引っ張るには難しいストーリーだったと思うけど引き込まれた。機長の苦悩を終始丁寧に描いていて本当に気の毒になるくらいだった。これほどのことではないけど自分は会社に事実をねじ曲げられたことがあったので、時として真実追求とは別の力が働いてこういう苦しい立場に立たされることがあるなぁと辛さと怒りを感じたが、機長は見事にタイミングとポイントを突いて、鮮やかに正統性を証明して見せたのは痛快だった。人間、苦しみ悩みながらも、答を見つけられるもので、諦めずに頑張ることが大切だと学んだ。
どんなときの冷静な機長のすごさ
良い映画でした〜
プロの経験と直観は素晴らしい。
プロをなめるな!って言いたくなります。
公聴会の連中のおままごとみたいなシミュレーションや質問にイライラしてしまいました。
どんなときでも冷静に対応できる機長だからこそ、こういう大人の振る舞いができるのね。見習いたいと思います(*^^*)
この映画こそ奇跡だ!
普通の映画なら一番の見せ場であるはずのバードストライクの事故から着水のシーンを最初にもってくるか、またはクライマックスの公聴会で回想させるかたちでみせるはずだが、この映画は違った。
事故のシーンは映画の中頃に描写されている。怖ろしく大胆な展開だ。
意図はわかる。主人公であるサリー機長の内面により肉迫するためだと。
実際に前半は「自分の判断は正しかったのか?」の苦悩が言葉ではなく画で描写されているし、事故シーンをへてサリー機長が自身の判断が正しいと確信する後半の公聴会への流れはひたすらサリー機長のみを追っているから。
そしてこの手の映画に必要な「家族との関係」や「職場やその他の人々との関係」の描写を事故のシーンを入れる事で大幅に省略して2時間も無いのに物足りないどころか濃密さえ感じてしまう。
何かに騙されたのかは分かるが、何に騙されたのかが分からない。何なんだこれは?
全体として冷静さを保ってはいるが、もちろんイーストウッド監督は最後の最後にキチンと “泣ける”シーンも入れてくるから娯楽としての楽しみ方はちゃんとある。
「なんだか凄いの観ちゃった」としか感想がなかったのでした。
決断を信念の名の下に
大きな行動には常に責任が伴う。それが自分が良いと思った行動であろうと、結果次第でそれは悪行になり得る。マスコミや諮問委員会に責められ自分の決断が正しかったのか悩んでいた機長が、最終的に決断に不備はないという主張を貫いたのは、信念を曲げず、自分の行動に自信を持っていたからだと感じた。
「音声を聞いてどう思った?私から言おう。誇らしい。」このセリフが最高にクールだった。自分の仕事や行動に責任と自信を持つような大人になりたいと思う。
またアメリカンジョークのセンスの良さにも感動した。最後の「7月に。」には脱帽。
パピっと短く96分。
gleeオタ的余談を先に。
運輸委員会のひとがカートのお父さん役の人ですよね。バートハメル役だった人。けっこうメインな役どころで再会嬉しい!
あと、こちらは自信ないですが、ゴルフのために最後に乗り込んだ3人組の太った人は、デイブカロフスキー役の人じゃないでしょうか?だいぶ似てたと思うのですが。
「◯◯に出ていた誰々」に気づくのが、日々の楽しみでして。こういう時は、誰かと答え合わせがしたいのですが、なかなかどっちも見てる人がいないんですね、周りに。
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2009年の事件当時は14時間労働で満身創痍だった会社員時代なので、全然このニュースの記憶がありません。なので完全に初めて知る話でした。
成功例のほぼ無い水中着陸で全員無事だった、国家運輸委員会みたいのんに、空港へ戻れたはずという仮説ありきで責められた、コンピューターシュミレーションでは空港へ戻れたという結果だった。でも決断するまでの時間を加味すれば、(それを35秒とし)空港へ戻るのは難しかった。運輸委員会は機長と副機長を責めることを諦める。ほとんど筋を全部説明してしまいましたが、顛末はこういう感じです。
それに、機長の痛々しい逡巡が挟み込まれ、ハラハラドキドキします。例えシュミレーションが正しかったとして、でも助かったじゃん、結果よければ全て良しであかんの?責められることなんか?と素人観客は思っていました。
また、一方では責められ、家にも帰れず、でも町やメディアでは英雄扱い。英雄扱いされる事が不当とは思いませんが、当惑する気持ちもわかるね、という感じでした。
ハラハラドキドキと困惑への共感とを感じつつ、パピっと短く纏まってたのがすごくよかったです。
奥さん役のローラリニーとトムハンクスの共演シーンなくてそこだけしょんぼり。
エンドロールで映っていた実際の乗客と機長夫妻の再会パーチーがすごいなーと思いました。が、パーチーのスピーチ、なんで奥さんやねん!とも。
胸打たれる感動。
非の打ち所がない素晴らしい映画!!
トム・ハンクス最高です。
副機長ジェフ役のアーロン・エッカートさんも
めちゃ良かった!!!
普段cs放送のメーデーシリーズで
飛行機事故の原因究明を興味深く見ています。
いつも、さすがNTSB!って、
かっこよく感じていたのですが、
この映画でNTSBがめっちゃ悪役に見えましたf^_^;)
最近の映画は
そりゃないだろとか、あの演技、、、とか、
どっかこっか一言突っ込みたくなるとこが
あったりしたけど、
事実を元にした映画のせいもあるのか、
突っ込たいところは微塵もなし。
変に作り込まれず、
でも、映画の中にぐっと入る感覚があって、
本当に素晴らしい映画でした。
映画館で観れて本当に良かった。
救出後に乗員乗客全員の無事を
確認しようとしていたサリーの姿、
公聴会でのサリーの発言、
−−−人的要因のとことか、
−−−全員がいたから成し得たことだとか、
とても心に響きました。
ジェフが「7月に」って言って終わる感じ、
良かった♪( ´▽`)
最後、乗員乗客本人達の映像の時、
「155」という数字でなくて、というような下りや、
サリーの奥さん本人が
「感謝の手紙にお礼を言いたい」という話、
とても胸を打たれました。
自分ができることを精一杯やって生きていこう。
ひとくくりにしないで、一人一人を見よう。
そんなメッセージを受け取りました( ´▽`)
素晴らしかった
奇跡的に生還したUSエアウェイズ1549便不時着水事故を取り上げた作品。原題のSullyは機長のニックネーム。
主に生還後の機長への責任追及が描かれていた。1人の犠牲者を出さなかった英雄であっても厳しい追及が行われ、それによってはマスコミの取り上げ方は世間全体を背負ったバッシングに変わりうる。取り上げられる側の葛藤と苦悩が描かれていた。
一度ではなく何度も回想シーンがあったが、現実はそれ以上に何度も思い出し葛藤し苦悩したんだろうと思いながら観た。
興味深いのは、この映画は「最後はやっぱり機械ではなく人の判断だ」みたいなよくある主張はしていない映画だと思えたこと。
この映画で描かれていたのは、その当時の技術の段階と現場の状況ではあれが最善の策で、機長や周囲はベストな行動をしたということで責任は追及できないということ。だから機械化がいいとか人の判断がいいとか自体は主張していないように感じられた。今はもう、そういった事故自体起こさないようにしなきゃいけないのだから、人的エラーによる事故を助長するような主張はして欲しくなかったので、そこが内容に振り回されておらず素晴らしかったと思う。
奇跡
さすがトムハンクスとクリントイーストウッド。
文句なしで良作でした。
最近の話ですので内容は何となくは知ってましたが、ドラマとしてよくまとまってましたね。時間もちょうど良いし。
アメリカらしいといえばらしい(特に最後とか)映画だったなw
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