ハドソン川の奇跡のレビュー・感想・評価
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じわーっと押し寄せる感動
映画.comのインタビューでイーストウッド監督がこんなことを言っていました。
「観客はすでに結末を知っている」。しかし、その最中に何が起こったのか「その''真ん中''を知らない」と。
この映画は、その事故の''真ん中''を真摯に描いた感動作。最後の副操縦士の一言がまた乙です。
普通の人々の誠実さに深謝‼︎
普通の人々が、いつも通り誠実に、(本人にとっては)当たり前の仕事をした集積が奇跡的な結果を導いたことに感銘を受けました。
もちろん、推力を失うことは当たり前の事態ではないですが、普段から誠実に仕事をしている人は、平常時であろうが、緊急時であろうが、自分の持つ知見や経験を最大限に発揮して事態を乗り切ろうと努力する筈です。機長も、副操縦士もクルーも、管制官も救難にあたる人も、それぞれの持ち場で最大限の努力をしたからこその奇跡だったのだと思います。シンゴジラの統合幕僚長の『仕事ですから』に通ずる無私の献身を感じました。
日常生活を陰で支えている無数の、普通の人々、への感謝の念を思い出させていただきました。本当にいい映画でした。自分もいい仕事しなきゃ、と身が引き締まりました。
(なのに、豊洲の無責任さは一体何なのだろう、と思い出してしまい、折角の余韻が台無しになってしまいました)
イーストウッド監督作に外れなし
クリント・イーストウッド監督の映画は,一切駄作がないというのが魅力だが,「ミリオンダラー・ベイビー」や「グラン・トリノ」などに代表されるように,観た後に鉛を飲まされたかのように重いものを引きずらされることが多い。だが,この映画は違った。この映画を観た後で引きずるのは,人間としての誇らしさである。それが実に気分が良い。アメコミの実写化ばかりのここ最近のハリウッド映画の中にあって,映画の本当の面白さを誇りを持って作り上げた 86 歳の監督のプライドを感じた。
事実を元にした映画であるため,脚色を極力排していて,これはドキュメンタリーを撮ったのだろうかと,最初は戸惑ったほどである。ハリウッド映画で最大のタブーとされているのは観客の集中力を切らしてしまうことで,これを避けるために,普通は 15 分ごとくらいに見せ場を置くのが定石なのだが,事実でない話を盛ることができない以上,時系列の説明の順序を変えるくらいしか演出上の工夫は許されない。100 分未満という上映時間は,最近の映画の中では短い方であるが,終盤以外はかなり刺激に乏しい。しかし,それを補って余りあるほど,終盤の感動の大きさは特筆すべきものであった。
原題は “Sully” で,これは機長のファーストネームである。この原題の通り,この映画の目的は飛行機事故の再現ではなく,機長の苦悩と闘争が一人称で貫かれている。このアメリカ式の題名は,我が国では馴染みがないため,「ハドソン川の奇跡」という邦題になったのだろうが,原題の方が遥かに映画の内容をしっかり表しているというべきだろう。
イーストウッド監督作に駄作がないのと同様,トム・ハンクスの出演作にも駄作がないというのが私の経験則である。ハンクスがこの作品に出演したのは,「アポロ13」と同じように,この話がアメリカ人の誇りだからではないだろうかという気がした。60 歳のハンクスに加えて,他の俳優も実力派揃いで,特に副操縦士役の俳優の好演が光っていた。
音楽も,極力排除されていて,非常に限られた使い方がされていたのが印象的であったが,その僅かな音楽が非常に光っていた。クレジットを見ても聞いたことのない作曲家で,世の中には実力のある人がいるものだと痛感させられた。
演出は,流石にイーストウッドだと思わせるリアル追求路線で,乗客は全員助かると知っているのに事故機の場面では手に汗を握るほどであった。ただ,私的には一つだけ不満があった。それは,1/15 という極寒の季節に,水温が 2 ℃ しかないという状況がいまいち伝わって来なかったのである。私は人一倍寒がりなので,寒い場面には厳しい。水温 2 ℃ などという川水に入ってしまったら,歯の根が合わなくなるほどアゴが震えてしまうはずなのだが,そういう場面がなかったのである。それだけが実に残念であった。エンドタイトルで実際の乗客や搭乗員が出て来るというのもベタな手法であるが,素直に感動した。
(映像5+脚本3+役者5+音楽4+演出4)×4= 84 点。
良質な映画
クールな仕上がり
やっぱりトムハンクスはいいなぁ〜
安心して見られる良作
サリー
クリント・イーストウッド監督、主演トムハンクス作品。邦題はハドソン川の奇跡だが機長の名前を記憶している日本人は僅かであろう。原題そのままでなくナイス設定。
1月15日の極寒でのでき事。
事故に際する機長の心理描写や心拍数など見応えある内容。航空局当局、日本なら黒土交通省運輸局がハドソン川はへの緊急着陸は無謀だったとする見解と対峙してサリー達はハドソン川への着水を肯定し続け、シミュレーション結果が最寄り空港着陸成功の結果を覆す。ウィットに富むジョークがうまかった。最後の当局の諮問委員会での質疑が最高。議長Q.あなたはまた今度の様な飛行をしますか? 副機長A.やるなら7月だね。
締めが良かった
結果が分かっている、ある意味、安心して観られる作品。
イーストウッド作だし。
着陸や不時着水に失敗しても機長の責任になるなら、成功した場合も素直に称賛すればいいものを、たとえ奇跡の成功であっても反対の視点から調査すると言うのはアメリカらしいところ?調査側の根拠が左エンジンが作動していたと言うことだが、ボイスレコーダーを解析すれば、状況として分かりそうなものなのに、ちょっと不思議。
鳥の飛来を予測できなかったのか?などの管制側の責任追及は?と、思わなくもないのだが・・・
まるで、飛行機発進時における緊急時の対応ビデオでも見ているかのようなシーンが繰り出され、参考?になった。
トムハンクスの白髪と髭が馴染めないのだが・・・配役としては妥当なところか。本当はイーストウッドで見たかった気も。
ラスト、機長と副操縦士の締めの言葉が良かった。
緊急不時着水時の警告音、日本人的には9.11より、JAL123(御巣鷹)を想起させる。
素晴らしかった!
洋画で今年一番良かった。
航空機の映画はもともと好きで、かつ、日本でもあれだけ大きく報道されたこの話を映画にすると聞いた時から、鳥肌が立った。
で、実際今日の公開日を迎えてすぐに見に行ったが、本当によかった。
まず、航空機映画と聞くと、パニック映画しか思いつかないが、この映画はパニックする場面はない。生きて帰るのだから、それはそうかもしれない。
日本でこのニュースを見ていただけからか、この映画の本質である 機長への責任についてこれほどまで追い詰められていたことに初めて知った。
ハドソン川への不時着を疑う調査委員会と、機長をヒーローにするマスコミたちとの狭間に立ち、真実だけを述べ、自分の判断は間違っていなかったことを最終的にシミュレーションで立証する姿こそ、本当のヒーローであった。
特に、記憶に残ったシーンは最後の公聴会で、不時着時の音声を聞いた議員たちが、判断を誤っていたことを認めたシーン。
議員たちも、機長の判断を覆そうとしていたわけではなく、あくまでも仕事として、事故の本質を追い、最終的にハッピーで終わった公聴会ほど、記憶に残るものはない。
いくつかコメントするシーンは、
あの管制官とのやり取りのシーン。あそこまでスムースに対応できる管制官はどれほどいるのだろうか。
私も似たような仕事をしているので、参考にしたい。
公聴会中にシミュレーションを実行させるシーンがあったが、パラメータを変更したシミュレーションを一瞬で実施していたが、もう少しラグ(テストパイロットが、公聴会からのリクエストを聞いて、ショックを受ける?)など、あってもよかったのではないかと思う。不自然だと思ったのはそこだけで、さすが、イーストウッド。と思わせた。
映画の構成も、事故シーンを回想させるとは思わなかった。すごい。
1つだけ、副機長は本人に似ていたし、the 副機長 というイメージ。トムは本人に似てない笑
ちょっと不意打ちだった。
やはり近作同様、実体と虚像が解離してしまった人物を描いた映画。実際、夜の街でランニングするサリーと、白煙と光によってサリー以上に大きくなった影が同時に写るショットまである。
と同時に、惨劇(9.11)に見舞われたニューヨークという都市を癒す物語でもある。西部劇の騎兵隊を彷彿とさせる、星条旗をはためかせながら真っ先に着水した機に向かうフェリーには感極まった。
機長ほか乗員、乗客、彼らの家族、救出に参加した市民と行政、マスコミ、事故調査委員会。これだけ多くのアクターを過不足無く捉えながら、それでいて90分台という理想的なランタイム(このところのアメリカ映画に蔓延する風潮なら、公聴会が終わったあとでまだ映画が続いていても不思議ではない)で駆け抜けたことも素晴らしい。
とても静かです
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