「圧倒的機長の人間力の高さを描いた作品。」ハドソン川の奇跡 ざここさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的機長の人間力の高さを描いた作品。
追憶を辿る系の映画が苦手な人にもおすすめの作品。
というのも、テンポが良い作品です。
私はとりあえずテンポが良い作品、シナリオ構成が良いと思った作品は高評価になってしまいます。
まずタイトル通り、この作品は主人公として描かれる方の人間性が本当に涙が出るほど暖かく強いです。
機長として乗客の身の安全を第一にずっと考えていて、それに伴って行動も真摯に誠実に一つ一つ冷静に、ミスなくこなす様子は見ていて心震わされます。
病院で関係者に「155人全員無事だ」、と主人公のサリーが知らされた時、何度も彼は言葉で「155人、155人か…」と吐露していて、ハドソン川に着水し、時間が流れ、ようやく彼が心の荷を下ろせた瞬間、そのシーンのトムハンクスさんのまさに「安堵」の表情が印象に残っています。
個人的にその中でも飛行機の脱出トランポリン(?)滑り台を機体本体から切り離して飛行機と道連れにならないようにするシーンはなかなか事故の様子を細かく作り込まれていて印象に残っています。
最後の公聴会のシーンで、ブラックボックス?機長と副機長が着陸するまでの音声を公聴するシーンではその様子がノーカットで描かれ、機内で何があったのか、主体で描かれます。追憶を辿る1時間30分ほどの映画、一つ一つの追憶パーツをこの5分前後(?)でばーーっと音声、映像で演出していくため、何が起こって2人がどうしていたのか、わかっているのに目が離せなくなる、トムハンクスさん演じる機長「衝撃に備えて」の重みがすごいシーンでした。
機長と副機長の表情の変化も素晴らしかったです。
美談として描かれた映画といえばそうなのかもしれません。私はこの作品の題材となった、実際の事故を目撃していません。しかしその上で、多少脚色されたかもしれない、けれどその上で作品のシナリオや構成、演出、どれをとっても私には評価の高い作品でした。
おすすめです。