「真摯であり続けること」ハドソン川の奇跡 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
真摯であり続けること
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"土曜プレミアム" で鑑賞。
実際の映像は当時のニュースで何度も観ました。
奇跡の不時着の後、このようなことが起こっていたとは。
事実はフィクションよりも奇なり。
パイロットとしての経験と冷静な状況判断でハドソン川への不時着を決めたサレンバーガー氏でしたが、国家運輸安全委員会はその判断が誤りだったのではないかと執拗に追求。
事故調のメンバーは書類やコンピュータによるシミュレーション結果を元に、「ああだったのではないか?」「こうだったのではないか?」と後からなんとでも言えるような事柄を並び立てて来ました。サレンバーガー氏は苦悩を深めるばかり。
保険会社の意向が働いていたことは確実です。
乗員乗客全員が生還したにも関わらず、何故ここまで責められないといけないのか。サレンバーガー氏の長年の経験まで否定するような訊問に怒りすら覚えました。
これが事故調査だと言われればそれまでかもしれませんが、事故調の面々に「じゃあそこまで言うんやったら、あんたがやってみろよ」と言ってやりたくなりました。
事故当日のシーンが何度も形を変えて描かれ、サレンバーガー氏自身が何度も事故について検証していました。あの判断は本当に正しかったのか。空港に緊急着陸することが出来たのではないか。繰り返される自問自答。
苦悩の果て、公聴会での逆転劇で溜飲が下がりましたが、自分の成すべきことを責任持って全うし、周囲だけでなく己自身にも真摯に向き合い続け、誠実であろうとしたサレンバーガー氏の勝利を心から讃えたくなりました。
※修正(2024/03/31)
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