ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたちのレビュー・感想・評価
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個々のアンサンブルを活かした遊園地のような楽しさ
ダークかつシニカルな世界観がトレードマークのティム・バートンだが、今回は相変わらずダークな色調を持ちつつも、そのトンネルを抜けると空から差し込むまばゆい陽光が胸一杯に拡がった。愛する祖父を亡くしたばかりの主人公は、自らの心の内側に閉じこもるのではなくそのベクトルを外へと開放。それに呼応するかのように屋敷内の“子どもたち”もX-MEN学園の生徒のごとく各々の能力を最大限に連携させ、止まっていた時計の歯車を動かし始める。このポジティブさがとても新鮮なのだ。もともと原作者は古い奇妙な写真を集めるのが趣味で、それらに着想を得て物語を膨らませていったのだとか。このビジュアル的な創造性を損なわず人気脚本家のJ.ゴールドマンが存分に筆致を振るっているのも見どころの一つ。ティム・バートンの作家性を前に出しすぎることなく、個々のアンサンブルを最大限引き出した、遊園地のような楽しさがそこに詰まっていた。
フリークス、マイノリティに心を寄せるバートンらしいファンタジー
原作モノだけど、これまでフリークスやマイノリティをつねに温かな眼差しで描いてきたティム・バートン監督にぴったりのファンタジー。人とは違う体の特徴や、特殊な能力があるせいで、世間に馴染めずひっそり生きているような子供たち。彼らがそれぞれの持ち味を活かして敵と戦う終盤が盛り上がること。
エバ・グリーンは「ダーク・シャドウ」に続きバートン映画の世界観にうまくはまっているけど、今回は出番が少なかったかな。サミュエル・L・ジャクソンは既視感ありまくりの悪役キャラ(笑)
ジェイク役のエイサ・バターフィールドは、「ヒューゴの不思議な発明」や「エンダーのゲーム」の頃はあどけなさが残っていたのに、急に大人びたような。声変わりして、背も手足も伸びてモデルのような体型になってるし。雰囲気あるし、演技もうまいので、これから役の幅がどんどん広がるのではと期待。
ケレン味たっぷり映像の
ティム・バートン監督らしさ全開のダークファンタジー。
フロリダに住むティーンエイジャーのジェイクは、折り合いの悪い両親よりも祖父のエイプを慕っている。エイプはジェイクが少年の頃から、自身が体験したという冒険の話をジェイクに語って聞かせていた。
ある日、エイプが何者かに襲われる。死の間際にジェイクに”島に行け、鳥が全てを教えてくれる”と言い残して息絶える。すると、物陰から突然化け物が現れるがすぐに姿を消してしまう。
祖父の言葉通りにジェイクは祖父が残した手紙を手掛かりに、父とともにケインホルム島に向かう。エイプの昔話に何度も出てきたミス・ペレグリンと不思議な子供たちが暮らしたという館にジェイクは向かうが、そこは1943年の9月3日にドイツ軍に爆撃されて、今は廃墟となっていた。
途方に暮れるジェイクの前に数人の子供が現れ、ジェイクを洞窟の中に誘う。
その洞窟の先には、空襲で破壊されて廃墟になったはずの館があり、ミス・ペレグリンが館の入り口に佇んでいた。
そこから館の中での不思議な子供たちとの話になっていくんだけど、ホラ話か作り話かと思ったら、その不思議なお話は現実でした的な寓話は定番と言えば定番。でも、そこに出てくるそれぞれの子供たちの個性がちょっと一風変わっているからオリジナリティを感じるのかも。蜂の子とか怪力ちゃんとかね。
クライマックスで、その不思議な能力を全面に使って戦うというわけでもないところが歯痒いけど子供だからそんなもんかも、と思うし、この映画の主題はそこじゃないんだなーとは思った。
じゃなきゃ、ある子の能力が無双すぎちゃって全部一瞬で敵が全滅しそう。
ちょっとループの理論とかインブリンの定義とか、原作を読まないと理解できなさそうな設定もあるけど、まああんまり難しく追いかけなくても物語自体は十分楽しめる。
そこはティム・バートンらしいちょっとダークな色合いのファンタジー映像で十分補完してくれると思う。
主人公は縞のパジャマの少年で主役ブルーノ君を演じたエイサ・バターフィールド、物語のカギになるミス・ペレグリンを演じるのはエヴァ・グリーン。エヴァ・グリーンの目力の強さがミス・ペレグリンのキャラにピッタリマッチしていて美しい。ティム・バートンの好きな勝気そうな女性。
こういう作品はあんまり難しく考えずに映像の中にどっぷり没入するのが一番。少し設定に説明不足なところがある分-0.5だけど、限りなく星5個に近い上質エンタメ作品。
不思議で優しい物語
優しくて不気味な世界
「子供の頃に僕を助けてくれたコンテンツ、今度は僕が守る!」 今まさ...
「子供の頃に僕を助けてくれたコンテンツ、今度は僕が守る!」
今まさにトレンドなテーマを先取りし、絶妙なタイミングで外した一本(^^;)。
監督が撮りたいシーンと、そうでもないシーンとの温度差がすごい。
ストーリーの端折り方がロコツなので、話もわかりにくい。
鬼才が口角泡飛ばして、まくし立ててるような支離滅裂さ。
映画作家として燃えてるバートンを久々に見た気がして、嬉しくなった。
原作の冒頭は「家族から疎まれている妄想おじいさんと、その唯一の理解者である孫」について延々と書かれている。
めちゃめちゃバートン作品ぽい設定だな~と思っていたら、映画本編ではサラッと流されていて驚いた。
家族間の無理解やぎくしゃくを吐露する季節は過ぎたのかもしれない。
その心境変化を、私はとても嬉しく感じた。
では、次は?これから彼が何を主張してゆくのか?
自分問題からの解放を経て、新しい世代に何を訴えかけてゆくのか。
『ダンボ』公開が待ち遠しい。
バートン監督の "これから" が楽しみになる映画!
日本の文化圏なら馴染む可能性が高い
はい最高、はい傑作
童心に戻れた気がしました。
TikTokの切り抜き?から作品探して辿り着きました。
これがファンタジーかと、素人ながら感じる映画でした。
敵の設定や戦う動機自体は正直、B級の少年漫画の様な感じでしたが、個性溢れる子供たちと、さながらジャンプの様な主人公感が見ていて気持ち良かったです。
ちょっと暗い雰囲気というか、湿気のある様な映像も味があって素敵でした。
あと、遊園地のガイコツ戦闘シーンは胸熱でした。笑
ゲームオブスローンズを思い出します。
いろいろなテーマを盛り込んだ映画であるが、個人的には純愛部分がいちばんのお気に入り
ストーリーが進んで面白くなっていくうちに、冒頭で主人公が精神科医のカウンセラーを受けていたのが気になった。この種の映画でよくあるパターン、つまり最後に、実はすべて主人公の妄想だったというオチではないかという心配をしていた。途中までどんなに面白い映画だったとしても、最後にがっかりするパターンになってしまうのか?
ただ、実際にはそれは全くの杞憂に過ぎなかった。この映画はいわゆるファンタジー映画ではあるが、それに友情と純愛を絶妙に加味した、第一級の娯楽映画に仕上がっている。もちろんビジュアルエフェクトの技術も素晴らしいが、役者たちも魅力的だ。まず、子供たち。彼らの特殊能力も面白く、それを演じている彼らみんなが可愛くてはまり役だ。エマもちょっと大人の雰囲気を感じさせ、若い時のシビル・シェパードに似ていて好感が持てる。祖父役の往年の俳優、テレンス・スタンプも渋い。
ツッコミどころも結構あるのも事実。例えば、最初のほうでオリーヴが素手でやかんのお湯を沸かしたあと、手袋をせず取っ手をそのまま持っても取っ手は燃えなかった。また、最後の戦いで、双子の特殊能力が発揮される。見つめると固まってしまう。それなら、もっと早く発揮すればよかったのにと思う。氷の中に閉じ込められたブロンウィンや冷凍化されたオリーヴがなぜ死なないんだ等。ただ、そんなことより、ファンタジーの物語のなかに見ている我々が引き込まれ、些細な誤謬なんてどうでもよくなってしまう。
あと、最後の方で1943年に戻ろうとするエマが主人公ジェイクに言った言葉が心に残る。「私たちは守ってもらわなくて大丈夫よ。だって、あなたに勇気をもらった。それはもっと大切。」
We don't need you to make us feel safe,Jake.
Because you made us feel brave.
And that's even better.
前半退屈 後半盛り上がった
ティム・バートンはシザーハンズ大好きすぎて何度もみてました。ナイトメア・ビフォア・クリスマスも面白かった記憶。
他2作品ティム・バートンのみましたが、、、、うーーん、、、これも、、ハズレたかな。。
前半の感想
1時間以上我慢して観ていましたが、退屈。 この手のものがあってるあってないでなく、いい映画って途中からでも引き込まれるので。1時間以上みても引き込まれないということは私の中では、またティム・バートンハズレかな。
怪物が登場する部分は少し奇妙なので注目。
後半の感想
ペレグリンがさらわれるとこから、
ようやく盛り上がってきた感。
前半もこれくらいわかりやすく
してくれればよかったのに。
前半の改善点は、もうちょっと
現実の学校のシーンなど入れて、
別世界とのギャップをもう少し
いれておいたら、入り込みやすかったはず。
ほんとに冒頭のセリフだけは引き込まれたのにな、、という感じでした。
後半もおじいちゃんに、あんなに
会いたがっていたのに、すぐに
あっちの世界に行っちゃわずに、
もう少しだけおじいちゃんとの
時間あってからの方が
よかったんじゃないかな。
と、思います。
退屈なシーンは省いて、入り込みやすくする描写をもう少し描いてほしかったです。
骸骨たちとホローの
戦闘シーンは面白かったです。
前半入り込めなかったので、あえて辛口の★です。
タイトルなし(ネタバレ)
ドイツ軍の空襲に遭い、リセットしてまた同じ1日を過ごす彼ら。しかし、ジェイクにしか見えないホローという怪物や、バロン(サミュエル・L・ジャクソン)によって脅かされ続け、ついに対決する日がやってきた。ハヤブサに変身したペレグリンは連れ去られ、彼らを追って、海辺の遊園地へと移動する。
それぞれの特殊能力が面白い。透明人間、馬鹿力の少女、空気より軽いエマ(エラ・パーネル)、蜂を体の中に育ててる少年、人形に生命を吹き込む少年などなど、ファンタジーの世界を味わうことができるのだ。
ティム・バートンらしい世界観に仕上がってると思うし、SFの要素にさえファンタジーを感じることができた。
ティムバートン''らしさ''爆発!
原作未読
ティムバートンが作ったんだなとはっきり分かる映画でした。演出や映像はとてもダークファンタジーで小さい子にはトラウマになるかもしれませんが中高生だったら楽しめるのではないでしょうか。
この作品は印象的なキャラクターが多く出てきます。後ろに口が付いていたり、空気より軽くて鉛の靴をはいていたり。ポスターに書いてある「ティムバートン史上最も奇妙」という言葉には多分間違い無いと思います。全部の作品を見ているわけじゃ無いですけどね。
CGも綺麗でしたね。よく日本のCGは海外に追いついてないって言う方がいますが追いついてないのではなく予算がないんでしょうね。日本もエンターテイメントにお金を多くかけれるように借金を減らして欲しいものです。
アクションも良かったです。異能力バトルは海外にかぎりますよ。
さて、ここから少し気になったところを書いていきます。
まずキャラクターに深みがないことが気になりました。能力は面白いので顔と能力は一致するんですど、そのキャラがこのキャラとどんな関係なのかはあまりよく分からずに終わっちゃいました。特に主人公が一番目立ってなかった気もします。特出して何をするってわけでもはなかったですしね。他の映画に例えればスーサイドスクワッドですかね。
あとはストーリーも特に意外性はなかったです。ザ・ファンタジーといった感じでした。
期待していたのもあって少し残念でした。
悪いところもいろいろ書きましたが良いところは最高レベルですのでティムバートンが好きな方なら楽しめると思います。
是非ご覧ください。
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