「ユルイ展開と描写で脱力疲れ」パワーレンジャー りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
ユルイ展開と描写で脱力疲れ
恐竜が闊歩する時代の地球。
宇宙から飛来した者どもが戦いを行い、結果として地球は守られた。
彼らの力の源はクリスタルにより封印され、正義の力も5つのカラーコインによって眠りに閉ざされた。
そして、現代。
地球を支配しようとした悪の力は、黄金を獣のように操る魔女リタ(エリザベス・バンクス)とともに甦った。
正義に力も甦ろうとするが、かつての生き残りゾードン(ブライアン・クランストン)は宇宙船のシステムの中に幽閉されたままで、地球の未来は、カラーコインを見つけた性別も人種も異なる5人のティーンエイジャーに託されることになった・・・
といったところから始まる物語で、元は戦隊シリーズの何作目か『恐竜戦隊ジュウレンジャー』を米国仕様にした米国版テレビシリーズの映画版。
『秘密戦隊ゴレンジャー』世代のオジサンからすると、設定からしてややこしく(といっても、それほどややこしいわけではないが)、6000万年以上も眠っていたのなら、そのまま静かに眠っていてほしいと思うばかりの設定。
そんなことを考えるとイライラするので、あまり考えないようにしていてみていたが、超人的パワーを得ただけで使いこなせず、5人が一致団結しないと能力が発揮できないというのは、ま、少々面白い。
特に、人種や性別も異なる5人の組み合わせなので、そこいらあたり、もう少し掘り下げると、大人の鑑賞にも耐え得るかな、とも思ったのだが、一致団結の描写がやはり子供っぽい。
いや、そんなことをいっても・・・なのだが、ここいらあたりが弱いので、「はよ、パワー・レンジャーに変身せんか!」などと思っちゃうわけで。
で、変身したらしたで、ありゃ、生身のスーツアクションはそこそこに、恐竜型大型マシンに乗り込んでのバトルになっちゃう。
ならば、大型マシン対巨大怪物とのバトルが存分に楽しめるかと思いきや、これまた、乗り込んだ若者たちの操縦シーンがこれでもかこれでもかと挿入されて、迫力を減ずること甚だしい。
『トランスフォーマー』の1秒に満たないアクションカットの連続に比べれば目まぐるしくないので観ていて疲れないのだが、あまりにもユルイ設定と描写が多いので、こちらは脱力疲れ。