アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発のレビュー・感想・評価
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35%になる教育を
話だけ聞けば「私だったらやらない」と簡単に言うのに、実際には65%もの人がやってしまう驚愕の結果。戦争や虐殺、いじめや虐待、今日も起き続ける様々な問題に通じる重大な事実に、ホラー映画を見るより恐ろしくて感じた。
こういうこと、学校で教えるべきじゃないか?空気読むことに必死になっていては、自分を操ろうとする糸に気がつけない。学校の先生や監督に言われたら、危険タックルするの?上司に言われたら文書改ざんするの?「自分はNOだ」と言える人材を育成していかないと。
学者は実験して満足するだけじゃなく、実験結果がどう社会に貢献するか、また権力に悪用されないよう最後まで責任を持って見届けるべきだ。
映画として考えてよ
スクリーンのこちら側に話しかけるなら徹頭徹尾やりきらないとスクリーンのこっちが置き去りになるんだよ。この監督映画見たことあるのかね?この実験自体は世界中が知ってるし、むしろ知らない人はこんな地味な映画見に来ないよ。つまんなかったー!
つまらん
ミルグラム博士の実験や生涯を紹介しただけの映画。
この映画の中でミルグラム博士の実験のドラマを撮影するという意味不明な展開になる。ミルグラム博士を演じる俳優を演じるというばかみたいなことして何が面白いんだこれは。
社会心理学という分野自体にもハラがたった。「真理の探求」「科学の進歩」といってドッキリカメラみたいなことをするしょうもない連中だ。
タイトルなし
「何故どのようにホロコーストが起きたのか」.
「人間は何故権力へと服従してしまうのか」.
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実証するために1961年イエール大で実際に行われた『アイヒマン実験』.
ミルグラムが観客(視聴者)に向け解説しながら淡々と話はすすむ
まるで舞台を観ているかのような演出
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ユダヤ系アメリカ人社会心理学者スタンリーミルグラム
スモールワールド実験「六次の隔たり」「見慣れた他人」「同調行動」等興味深く成る程ねと頷ける.
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服従実験が暴く人間の弱さ
操り糸をみることは出来るのか…とふと考えた.
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ミルグラム著『服従の心理』.
トーマスブラマ著『服従実験とは何だったのか スタンレーミルグラムの生涯と遺産』.
どちらも合わせて読んでみたい
それにしてもこの邦題は….
後継者でも告発者でもない
ただ…タイトルにひかれ観た私
楽しくも悲しくもないからおすすめもしないけど…興味深く観た一本
興味深い
ミルグラム博士のことも、この実験のことも知らなかった。とても興味深く、淡々と進む映画だからこそ本質的な恐ろしさを感じることができて良かった。
ただ、邦題のセンスがなさすぎる。
アイヒマン実験、ミルグラム博士の訴え
くらいにしておいてくれたら良かったのに。
後継者って何だよ。意味分からん。
そこでマイナス0.5点。
様々な実験は興味深かった。
悪の心は誰でも持っている。
タイトルにはそのことがしっかり込められています。
映画もその通り進んでいきます。
興味深い実験の数々です。
関心を持ったので、この映画を見ることにしました。
だけど、何の展開もストーリー性もなく、ただ実験についての解説みたいな単調なまま映画は流れます。
頭は働きましたが、心は動きませんでした。
ユダヤの新年はザクロで祝う
ナチス問題の映画が続いていて、これも又一つのジャンル映画となりつつあると思う。
その中に於いて、今作品は『アドルフ・アイヒマン』という人間についての考察からの、決して特殊ではない全人類の持ちうる性質を問うているテーマを配している。
そういう作品なので、イェール大やら、オックスフォード大やらNYC大やら、名門中の名門、知の最上位階の人達の話だから、かなりインテリゲンチャなストーリーである。だが、面白いのはこの主人公である社会学者スタンレー・ミルグラム教授の伝記を自身で観客に語りかけながら進んでいくという、第四の壁を突破するストーリーテリングな座組となっている点である。
とはいえ、そんなに波瀾万丈な人生と言うことではないので、物語的には淡々と進んでいき、実験に於いての協力者の一人だった人の心臓発作の病気と同じ病気で亡くなったという皮肉位しか、面白くはない。
その、『アイヒマン実験』においての話が中盤まで展開されていくが、確かにこの実験そのものは非常に興味深く、『権威への服従』という、集団動物である人間の性を如実に物語る結果で、正に半数以上の人がその呪縛から逃れられないということに、寒気すら覚える。権力の元では人間は本当に無力であるということを一定の考えで証明してみせたこの実験は確かに世間一般には不都合な内容であり、尚且つその実験の内容に暴力や威圧といった方法も取られていた為、批判の的とされ、あわよくばこの教授でさえもアイヒマンの再来とまで嘯かれた始末である。とはいえ、この教授の小心ぶりも又、アイヒマン同様とすれば、当たらずも遠からじといったところか、そういうエピソードも又作品中に披露される。多分、浮気がばれ、妻に許しを乞うシーンや、強引なテレビPにはした金で作品監修を手伝わされるところ等は人間的な側面を表現しており、そういう人間がしかし権力に与すると人殺し迄加担してしまう危険性を警告として鳴らしている作品なのである。
物語性そのものはドラマティックではないものの、こういう作品は観ておきたい一本ではあると思う。
実験は単純だが、奥が深い
イーストウッド監督、トム・ハンクス主演の「ハドソン川の奇跡」を思い起こさせるような、静かな、大人の映画である。
何故邦題に「アイヒマンの後継者」という文言を入れてしまったのか。アイヒマンの記録映像が短時間流れるが、作品はアイヒマンとはほぼ無関係だ。そもそもミルグラム博士は後継者でも何でもない。それに「恐るべき告発」をしている訳でもない。心理学の実験をして、論文を発表しただけだ。「アイヒマン」だの「恐るべき」だのといろいろな言葉を詰め込むよりも原題の通り「実験者」としたほうがよほどましだった。キャッチ―なタイトルにしたいという下種な下心が透けて見える邦題のせいで、却って観客を減らしたかもしれない。せっかくいい映画を配給しているのだから、志を高く持ってほしいものだ。
映画は原題の通り、実験を行なったミルグラム博士についての話である。科学者らしく客観性と統計確率が保たれるように工夫しながら実験を繰り返し、結果を発表した。実験の方法について、道徳的、倫理的な批判が常について回るが、実験の意図は道徳や倫理よりもずっと上の次元にある。
世界観は非常に哲学的だ。曰く、人間の行なう社会的行為の多くが、命令と服従の関係によって成り立っている。戦争も大量虐殺も、普通の人間が、上の人間から指示されたことを普通に実行しただけで、日常の仕事と何ら変わることはない。指示に従うことは人間の基本心理であり、拒否できる人は常に少数派だ。命令と服従がいたるところに存在するなら、この世界は平等ではない。そして自由でもない。自由と平等を民主主義の基本原理とするこの世界では、誰もそのことを認めたがらない。人間が自由を手に入れるのはいつの日だろうか。
主役であり語り手でもある博士が、しばしば観客に直接話しかける。シニカルなその語り口は、見る者を飽きさせない。
実験は単純だが、実験結果の因果関係を考察すると、人間社会の成立時にまでさかのぼることになる。道徳や倫理が出現する遥か以前にまでだ。非常に奥が深い作品であり、博士の問題意識は実験の様子と重なって、いつまでも心に残る。
ピーター・サースガード&ウィノナ・ライダーの顔のシワに注目
試写で観て、一般公開されてからもう一回観なおしたが、改めてチョイ役で出てる人たちが何気に豪華。
ジョン・レグイザモに「ER」のアンソニー・エドワーズ、オリジナル版『フットルース』のヒロインのロリ・シンガー、そして惜しくも夭折したアントン・イェルチンなどなど、実に贅沢な作り。
ウィノナ・ライダーも年を取ったとはいえイイ顔の皺ぐあいだし、勿論主演のピーター・サースガードの淡々かつ冷静な演技も冴えている。というか彼はほぼ全編喋りっぱなしなのでお疲れ様と言いたい。
テーマも内容も地味だけど、実験的な演出に目を惹かれるのは間違いなし。
TVショー
非常に興味深く面白いのだけど、あくまでもそれはミルグラムの実験に対してのものだった。
実録ドラマというだけあって、TVのサイエンス系の番組をみている様な感覚になり、物語性はほぼなく映画としては残念。
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