劇場公開日 2019年2月8日

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「見どころも多いけど…」アクアマン キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0見どころも多いけど…

2019年2月10日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

主人公とヒロインは凄くキュートで魅力的。
水中を中心とするシーンも未体験の映像が多くて新鮮。
アクションの見せ方も凝っていて、シチリア島以降のアクションは楽しめる。

きっと、「4DX」や「IMAX3D」とかで見るとさらに映像体験としては楽しめるはず。

そういう、シーンごとの良さは認めるけど、物語全体はというと…。
楽しんだ方には申し訳無いけど、私は全然ノれませんでした。以下ノークレームでお願いします。

こういった「王座をめぐる神々の兄弟ゲンカ」的なお話はどこかで見た気もするが、そのストーリーに関わる人達が、どうにも頼りない…というかバカっぽいというか。

ウィレム・デフォー扮する、参謀ヴァルコは、オーシャンマスターの側近であり今回の一件の仕掛け人なんだから、もっと穏便に収める方法はあっただろうに。そもそも、この人はあまり思慮深い様に見えない。本作でも訳有りげな表情のアップが何度もあるが、「思いを巡らしている」「憂慮している」というより「キョトンとしてるお猿さん」顔なのだ。

ニコール・キッドマン扮するアトランナ王女も、ラストで決着をつけようとする息子二人にとっては非常に影響力を持つ人物なのに、その戦いを止めるタイミングはあんな最後の最後で本当に良かったのか?

人間側の敵役「ブラックマンタ」はまったく見せ場なくまさに「噛ませ犬」。なぜアトランティス人がくれたビーム砲をあんなに間の抜けたスーツに改造したのか。そのまま使えば良かったんじやない?
ラスト恒例、次回作への繋ぎでも「負けキャラ」感がすごい。そういう設定にするつもりなのかな。

そうなんだ。この映画はそういう、作り手が観客に「この表情で、実は〇〇が☓☓だったんだと伝えたい」とか「これは□□の伏線になっていたというシーン」「△△をほのめかしたい」と思っていることが全然伝わって来ない。
だから、(誤解を恐れず言うなら)この登場人物が全員「親子愛だけが強いバカ達」に見えてしまう。

モブシーンの作り込みの凄さは、まさに天地を揺るがす様な壮大な問題が起きてますって感じでそれだけ見るとワクワクするのに、それぞれのキャラクターに視線を戻すとみんな自分のコトをチマチマとやっている感じ。

「おーい!みんな、結構それぞれ国の大事な立場なんだから、全体見てちゃんと仕事しよーぜ!」と言いたくなった。

キレンジャー