「男と女の観察日記」さざなみ タツミチさんの映画レビュー(感想・評価)
男と女の観察日記
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女は自分の中のうるさい嫉妬心を制御できない。男は悪気ないんだよ。妻のことももちろん愛しているし、不満がある訳でもない。パーティーでのスピーチも本心から言っている。分かっちゃいるけど、女は疑念を払えない。屋根裏であの写真を見てしまったから。でも夫には言えない。勝手に彼の過去に踏み込んだんだもの。見なきゃよかったのに。女は、今後もずっと、さざなみのように寄せては返す嫌な感情を拭えないままいるんだろう。
この邦題も上手いなぁ~。観るまでは、あたたかな感動作だろうと思ってたわ!
手紙が届いた日からの約一週間を一日ずつ区切って見せるのも、男と女の観察日記を見せられているようで面白い。
カメラワークもいい。妻ばかり中心に映ってて、夫はほとんどボヤけてて。男の邪気のない無神経さと、女が独りよがりの感情を丸出しにする様がよく伝わる撮り方だと思った。
あるあるぅ~って、苦笑いの連続でしたが、それだけで終わらない。最後の妻の何とも言えない表情に45年の深みとこれからへの含みがあって印象的だった。
そして、45年という長い年月を経ても、男は男、女は女なのですね。
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