帰ってきたヒトラーのレビュー・感想・評価
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自分も映画の中に…
観客の反応が、最初は「笑っていいのかな」という躊躇いがちな笑いだったけど、ヒトラーの「人間的魅力」が伝わるとともに安心して大声で笑う空気に。しかし親戚を殺されたおばあちゃんの叫びで我に返り、ユダヤ人に対する確固たる偏見をみて、あれ、なんか笑ってる場合じゃない?という空気に変化。私自身、そのシーンまでは現在進行形の移民問題や経済問題がクローズアップされていたので、あまりに排他的な意見には異議を感じつつも、彼の言うこともわかるよなあ、日本でも共通する問題があるよなあ…など感じていた。リアルな問題解決にも感じられて。でも昔、彼は同じような信念で人々の熱狂をよび、その結果がホロコーストだったわけで…そのことをおばあちゃんの叫びで気づかされ、あ〜、これ、自分もここにいる観客も、あの当時のヒトラーを賛美していたドイツ人になり得るな、と実感した。
コメディ映画であり、ドイツの話であり、自分はこの映画の当事者ではないという油断材料があれば、無防備にヒトラーに魅力を感じて応援までしてしまうものなんだな。
楽しめた! (๑´ㅂ`๑)
すごく面白かった!ムチャクチャ楽しめました。ヽ(^◇^*)/
◆原作未読でしたがテンポ良く進むストーリー良し。こんなにもバチ当たりな作品を本当に映画化するってスゲエと思いました。かなり攻めている映画だと思います。
◆タイムスリップした人が、投げ出された時代でのトンチンカン具合は、お約束なれど楽しい。
◆オリヴァー・マスッチのヒトラー、ネット上では似ていないとの声もあるけど、もちろん実物は存じ上げていないけど、本物ってこうなのではないかと錯覚する熱演。
◆一見コメディーのカテゴリーとされる映画だけど、実は痛烈な風刺映画。
◆原作を知っている人が言うには「ラストが少し違う」「ラストにエピソードぶっこみ過ぎ」らしいけど、映画としては上手くまとめていたと思う。
◆ラストはタイムスリップのSFの映画としてはかなりバッドエンド。世相の風刺映画としてはかなり考えさせられる(警鐘を鳴らしている)印象。
◆もし見に行くのであれば、ネット上で有名な「総統閣下シリーズ」を視聴してから行く事をお勧めします。元ネタの映画「ヒトラー 最期の12日間」ではなく、総統閣下シリーズです(笑)。
ちなみに推奨は
『総統閣下 クソ映画をレビュー』
『総統閣下 医師国家試験』
『総統閣下 ガルパン(または艦これ)』
をググってもらえたら良い作品が出てきます。
注目作品なのか行った回(6/19)は満席。観ていたみなさん大笑いしていました。行く事を検討されている方は、座席予約してからお出かけになる事をお勧めします。 (๑´ㅂ`๑)
今日本人が観るべき映画
日本のネットでも総統閣下シリーズで有名な『ヒトラー最後の12日間』の完コピシーンなど、コメディ映画として笑いを提供しつつ、どこか観客を不安にさせる作品。
「戦後70年。子供逹も歴史教育で聞き飽きている、そろそろ国民を信頼しては?」
局長のセリフからのエンディングでヒヤッとした。
社会風刺の傑作
過去とのギャップに戸惑うヒトラー。
最初は確かに笑っていた。
しかし中盤になると突き刺すような指摘、批判に引き込まれていく
そして遂に自身の存在を確立させ、新たなる親衛隊すら作り上げていく。
話の続きを観たいと思う反面、恐怖心もわずかにある
でも自分はやはり観るだろう
ドキュメンタリーとしても映画としても傑作である
小ネタとして『ヒトラー 〜最後の12日間〜』をパロディるのは卑怯である。
ゲラゲラ笑ったわ
腐敗した民主主義は、強力なリーダーの専制政治に勝るのか?
第二次世界大戦中、追い詰められたヒトラーは自殺を試みる。しかしふと目を開けて見ると、そこは現代のドイツだった!
誰も「ハイルヒトラー」と、ナチス式敬礼を叫ばない世の中に違和感を感じながらも、卓越した観察眼で事態を把握し、馴染んでいくヒトラー。
そして、ひょんなことから「ヒトラーそっくりさん芸人」としてテレビに出始めます。街頭演説でしかメッセージを発信できなかった当時と比べ、現代にはテレビ、インターネットという媒体がある。そんなことに感動しながら、ドイツ富国強兵について語るヒトラー。最初は笑っている観客も、そのカリスマ性にどんどん引き込まれて行く。民衆の心を掴むことにかけては、やはりヒトラーは天才。そして政界からお呼びがかかったヒトラーは……。
原作はヒトラーの一人称で、「あぁ、ヒトラーってこんな風に考えるかも?」とニヤリとさせる心理描写が秀逸です。原作は、風刺の効いたブラックコメディといった感じですね。しかし映画では、ヒトラーの格好をした俳優さんが、街頭でドイツ国民にインタビューをします。
「今のドイツの問題点は?」って感じに。
移民。イスラエル人……、とリアルに答えるドイツ国民に、ラストへの伏線を感じます(てか、ラストでそのことを思い出して鳥肌が立ちます)。そして「政治への絶望」という言葉に、ショックを受けるヒトラー。
議会の腐敗や、民主主義によって責任が薄まっている世の中、誰が歴史に責任を取るのか?強力なリーダーの不在等々を嘆きます。
映画はファンタジーな部分と、ドキュメンタリーの部分とを、上手い具合にミックスさせながら、原作よりも強いメッセージを観客に投げかけます。
しかし本作の一番面白いところは、今までの「独裁者としてのヒトラー=単独犯」的な切り口ではないということでしょうか。
ヒトラーは、自分のことを歴史に責任がとれる、強力なリーダーであると自負していたかもしれません。しかし、ヒトラーは選挙で選ばれているんですよね。つまり、ヒトラーの言葉に、多くのドイツ国民が賛同したということです。ヒトラーは選挙演説で、ドイツを強い国にする為に、ある民族を排除すると言っていましたから。
さて、誰がヒトラーを作り上げたんでしょうか。責任の所在は?
あぁ、書きすぎました!すみません。
今年に入って観た映画の中で、一番面白いです。ラスト、鳥肌が立ちます。なるほど!本作の言いたいことは、こんなに厳しいことなのか!と。
そして、こんな映画が制作できるドイツが凄い。と、邦画の戦後70年作品を思い出して考えました。
ぜひ、ご覧ください!
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