劇場公開日 2016年6月17日

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「排他主義の流行る世界へ投じた問題作、民主主義=多数決主義?」帰ってきたヒトラー chakurobeeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0排他主義の流行る世界へ投じた問題作、民主主義=多数決主義?

2016年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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怖い

知的

今、危険なポピュリズムとナショナリズムの流行る現代に投げかけられた問題作。色々と考えさせられる問題提起が豊富。テレビ界を含めたマスコミの怪しさも暴露。日本大好きドイツ人のメントラインさんの秀逸な映画コメントを引用させてもらいました。他に言うことありません。
「重要に見えるのは、社会全体に広がる「理性・教養主義に対する失望と怨嗟」です。
つまり、「道徳的に正しいとされる」建前の手続に従ってもな~んも良いこと無いやんか! どうせ年金も出ないやんか! きれいごとばかり言いよって、理性とか教養とかいうヤツらはこの俺を救わなかった! という怨念。そして怨念層とリベラル層は、じつに見事なほどつながっていない…まるで別の惑星の住人みたいです。
その怨念は、まさに日本とドイツの戦前の(問題アリアリな)民主主義の中で膨張し、強権政治を歓迎し、そして最終的に国家を大破壊へと導いた「民意」の集合意識と極めて類似する性質のものです。

chakurobee