マギーズ・プラン 幸せのあとしまつのレビュー・感想・評価
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ラブコメディ、バリカタ、ラブ抜き
何の予備知識もなく、見てみたら、意外に面白かったのでびっくり。
タイトルからして、もっとポップなラブコメディを想像していましたが、ジュリアン・ムーアとイーサン・ホークが出演しているあたり、そうはならないんですね。この映画で語られる恋愛と、セックス(または、生殖行為)は、まったくの別物で、主人公のグレタ・ガーヴィグは、見た目のエレガントさはさておき、中身は恋愛下手の、生活感あふれる女性。ドレッシーなファッションはきっと似合わないと、自分で敬遠してしまうような女性で、なんと精子提供で母親になろうとするリアリストです。
恋人や、パートナーとしての男を必要としない生き方を目指し、そう宣言してしまっているのは、ある意味では「ずるい」生き方でしょう。誰かが彼女に恋心を抱いても、「そこは求めていないの」といって拒絶できる、便利な断り文句があるのです。
で、この映画が変わっているのが、スタートからいきなり状況説明のセリフばっかりで、エモーショナルな展開が付け足しのようにしか描かれていないこと。淡々と、男と女が出逢い、愛し合い、家族になる。このプロセスが、どこかの知り合いのカップルから聞いてきた程度の簡単な展開で埋まり、あっという間に、不思議な三角関係が成立してしまうこと。
その中で、唯一、納得できないまま、ひどい目に遭っているのが、モテモテのイーサン・ホークですけど、彼も実際ひどい自己チューなので、何の共感も感じなければ、同情心も湧かない。
アメリカの恋愛事情が、ここまで打算的な、「私を愛して!それが出来ないなら、浮気されても文句は言えないでしょ?」略して「ミーイズム」になってしまっているなら、特に、ホワイトカラーには支持される作品になるでしょう。
あとは、音楽がちょっと変わったテイストで、弦楽器を中心に、状況音楽のような軽い高揚感のあるクラシカルでシンプルな曲が使用され、深刻なシーンでも、なぜか可哀そうにならないんですよね、誰も。『第三の男』『スティング』にちょっと似てます。
なにしろ、今まで見たことのないタイプのラブコメディー・バリカタ・ラブ抜きの映画でした。
大好きな映画です💞
グレタ・カーヴィグ、イーサン・ホーク、ジュリアン・ムーアというユニークな組み合わせのドタバタ?ヒューマン・ドラマです。
冬のニューヨーク・ロケが寒そうなんだけど、散らかった部屋の中が何とも暖かそうで、グレタのもっさりしたファッションとジュリアンの都会的な着こなしも楽しい。
主人公3人がそれぞれ大学教授だったり小説家だったりするのですが(アカデミックな環境での白人オンリーな設定はもはや珍しくなってしまいましたね)三角関係のバトルが繰り広げられるのか?と思いきやマギー(グレタ)にはある計画が浮かんで大騒動に・・・
二人の女性の間をウロウロするイーサンも情けなくて良い感じ。何故か何度も見たくなる作品なんです(あくまで個人的に。)
ラストにナルホド・・・と笑えるところも大好き。ピクルスというのもミソかな。
ウッディ・アレンの「レイニーデイ イン ニューヨーク」と見比べるのも一興ですよ。
“面白い”女達
特に誰にも共感することはなかったけど“面白い”女性2人、特に主人公マギーの考えに驚いてまあまあ楽しく観られた。実際に相談でもされたら訳わかんなくて面白くはないかも。
小説家もどきの自己中なロマンチック男に若干イライラしたが、結局女達に転がされることで本人怒ってたけど観てる方はスッキリしたかな。離れてみると色々分かるのかもしれないが、この男は自分が好きなだけ。
マギーについては友人が言ってたことそのまま、愛が冷めたならなぜ普通に別れない?正しいことをしようとしてヘマをする、という感想。正直でお節介でキッパリした性格は魅力的だがなかなか厄介だな、と途中からそう思った。
好きな女優ジュリアンムーアは役柄に合ったスタイルが可愛らしくて楽しめた。本当にどの格好も良かった。
全体的に明るくドタバタ、不倫の三角関係といっても暗くなく、大きな子供達は案外大人だし、マギーの娘は精子提供してくれた数学者の子だったの!?というラストで笑わせようとしてる感じかな。
こうの鳥に任せて安心、子宝は天の恵み!ちょっと感情移入出来ません!
私は昭和世代で、しかも皇太子様と同年な為か、皇太子様が語られる様に子宝は、天からの授かり者であると強く信じて疑わない世代なのだ。
その為か、本作のマギーの様な考え方をする人々を進歩的で、如何にもアメリカの合理主義的考え方だとは理解していても、全くこの手の類の考え方には付いて行かれないのだ。
特に頭では色々な考えをする人が世界には存在する事を認めながらも感情の部分で受け付けられない人物像こそが、こう言う類の人間である。
それ故か、本作を映画館で観ていたにも関わらず、最近レンタル屋で借りて来て観る迄自分が既に観ている作品だと言う事すらすっかりと忘れてしまっていて印象に残らない作品だった。
ヒロインのマギーを演じているグレタ・ガーウィグの可愛らしさには好感が持てるものの、どうも
この物語には付いて行けなかったのだ。
人間の誕生の神秘を総て計算付くで、薦めて行く考えってアメリカのハイソな人々には多く受け入れられる感じもするけれど、こんな人生観で、人間の幸せなど得られるのか?
マジで馬鹿馬鹿しくなる。
いくらコメディー作品でも笑えない気がしたんだよね。
彼女と恋に落ちるジョンも痛々しい浮世離れした研究者のオタク。その妻ジョーゼットもこれまた身勝手極まりない合理主義の塊。
だけれども、ジョンもジョーゼットも結局、別れても元の鞘に収まる事を希望しているのだから、人間って結局結婚相手に選ぶ人は、生きる価値観が似ている人間同士が最も巧く行き易いのだろうな思える。
本作が描き出すマギーのジョン以外の男友達も含めて、出てくる人間が皆痛々しい人間に見えた。勿論ジョンもジョーゼットもマギー自身も総ての登場人物が滑稽で痛ましかった。
チャップリンが言うように、人の人生はクローズアップにすれば悲劇でも、俯瞰で見れば喜劇のようだと言ったのは、流石喜劇王の人間観察の見事な眼力と妙な処で思い出して関心をした。
こう言う家庭で育つ子供の未来はどうなるのか?もっともっとその辺りが知りたい気持ちで一杯になる作品だった。
それにして、イーサン・ホークは何時までだらしない男性像を演じるつもりなのだろうか?
そろそろ、こう言う男女絡みの作品は距離を考えれば良いのにと思うのは私だけだろうか?
全く共感できなかったわ…(^^)
さっくり
近々未来SFディストピア映画としてならば、よし!
かなり前に観ました。
『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ (2015)』
原題 MAGGIE'S PLAN
(あらすじ)
恋愛はできないけど子供は欲しいマギー(グレタ・ガーウィグ)は、友人のガイ(トラヴィス・フィメル)に精子提供を依頼する。
しかし、ベストタイミングで同僚のジョン(イーサン・ホーク)とも意気投合。良い感じに。
①ジョン:芸術家肌のダメ男。
②ガイ:理数系頭脳を持ったピクルスで成功している一見するとやべえ男(けど良く見るとイケメン)。
ある夜、ガイの精子で受精作業をしている最中に、ジョンがアパートに現れる。
自分の足元に跪く弱々しいジョンと、勢いでHするマギー。
そんなジョンには、怖ろしく、美しい妻ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)と、2人の子供が……。
数年後、ジョンと結婚して娘と3人で暮らすマギー。
でも、家政婦状態の結婚生活に、満たされない。
そんなマギーは、ある計画をジョンの元妻であるジョーゼットに持ちかける。
マギーは男性とのお付き合いが半年以上続いたことがないんですが、恋愛はできなくても赤ちゃん欲しい!って。
一芸ある男子の精子を手に入れて、セルフ人工授精!って……。
ある意味「ドント・ブリーズ」ですね。
あれ?違うか(笑)
いたるとこで本作は、"ラブコメ"って書かれてるんですけど。
いやー、なんという近々未来SFか!
いや男子が震え上がる、近々未来ディストピア映画か!と、思いました。
だって、一芸ない男子の精子は、要らないって話ですよ。
一芸ない男子は、結婚とか、自分の子孫を遺すことができない世の中になる(笑)
女子が男子を今まで以上に、スペックオンリーで選ぶようになる!!
まだまだ日本はシングルマザーに優しくない国ですから、そういう選択をする女性は少ないかも知れませんが。
1人で子供を育てる環境がちゃんと整った時に、わざわざ疲れる恋愛して(恋愛ってYES・NOチャートの選択を間違えただけでとんでもない方向に行く可能性あり。コストパフォーマンスが悪い)、結婚して、子供作って、子供と子供みたいな旦那の世話を、精神的にも金銭的にも自立した女性が選ぶかなー?
マギーみたいな選択をする女性が、増えないかな?
ま、私も、恋愛は性能が上がったVRでいいかなーと思ってますし(笑)
しかも、本作のマギーの、カッコウ的な思考回路は……。
あ、もうネタバレになる!
すみません。これ以上言いません!
男の弱いとこ、女の弱いとこ、アホなとこ、怖いとこ、ずるいとこ、あんまり良くない部分をフューチャーして描いてるけど、嫌な感じはしないです。
寧ろ愛らしいと思えてしまうのは、主演のグレタさんはじめ、俳優さん達の力が大きいかも。脇のビル・ヘイダー!良いです。今回も良いです!
あと、お洒落感のせいですかね。
本作は松竹の「女子向け映画を紹介する課」みたいなところが、強力プッシュしてたんですけど、そんなガールズ・ムービーじゃないと思う。
女子が観て、元気がでる映画!っていうプロモーションだったんですが、これで元気がでる女子って……?
こえーよ。こえーよ。
男子ガクブル映画でっす(言い切りましたすみません)!
イーサン・ホークは美少年時代より、最近のダメ中年役になってからの方が好き。
こういう芸術家肌のダメ男に、私は弱いです。
と、分かっているので、なるべく近寄らないようにしています。
40本目‼︎ また近くのミニシアターが潰れた(泣) 遠いシネコンに...
とっ散らかったものを繋げて見えた運命で賞
鷹匠
人に優しく、誠実に、そしてありのままの自分で
女性版ウディ・アレンの登場かもね
ニューヨークの大学で働く30歳前後の女性マギー(グレタ・ガーウィグ)。
恋愛下手で、男と長続きしない。
けれど、子どもは欲しいもんだから、昔馴染みの男性の精子をいただいて人工授精で子どもを得ようと考えていた。
そんな矢先、文化人類学者のジョン(イーサン・ホーク)と出会い、心奪われてしまう。
が、彼には、(彼曰く)仕事人間の大学教授の悪妻ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)がいたもんだから・・・
というところから始まる話で、その後、娘を得たマギーが略奪婚のような形でジョンも得るのだが、ジョンの身勝手さに嫌気が差して、彼をジョーゼットに返してしまえれば・・・というのがタイトルの「マギーの計画」。
まぁ、プランというよりはプロット(悪だくみ)なレベルなんだけれども。
あらすじだけ書き出してみると、艶笑コメディみたいなかんじなんだけれど、そういう類で笑わすのは当節非常に難しい。
なので、この映画も、その一歩手前。
悩みに悩む三者三様に共感してもらおうというようなアプローチ。
そこいらあたりは、なかなかうまくできている。
序盤から、「あぁ、こうあれかし」なんて願ってひとりでしゃべっているマギーの様子は、さしずめ女ウディ・アレン。
考えて選んだ結論が、あまり上手くいかないあたりもウディ・アレンに似ているかも。
それに、舞台もニューヨーク。
結構、悪くない。
だけれど、男の身としてみると、ジョンが「なんだかなぁ」。
傍から見ると、あまりにも無責任。
こんな子どもみたいな大人の男に、そうそうみんな惚れちゃうのかしらん、なんて思っちゃう。
ま、マギーもジョーゼットも「考える女」。
とすれば、こんな、考えなしの男に惚れちゃうのかもね。
マギーの子どもが誰の子か、そして、マギーが心許せる本当の相手が誰なのか、をオチとしてうまくまとめていて、なかなかの佳作の部類。
可愛いアラフォー主人公
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