劇場公開日 2017年1月21日

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「近々未来SFディストピア映画としてならば、よし!」マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0近々未来SFディストピア映画としてならば、よし!

2017年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

かなり前に観ました。

『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ (2015)』

原題 MAGGIE'S PLAN

(あらすじ)
恋愛はできないけど子供は欲しいマギー(グレタ・ガーウィグ)は、友人のガイ(トラヴィス・フィメル)に精子提供を依頼する。
しかし、ベストタイミングで同僚のジョン(イーサン・ホーク)とも意気投合。良い感じに。

①ジョン:芸術家肌のダメ男。
②ガイ:理数系頭脳を持ったピクルスで成功している一見するとやべえ男(けど良く見るとイケメン)。

ある夜、ガイの精子で受精作業をしている最中に、ジョンがアパートに現れる。
自分の足元に跪く弱々しいジョンと、勢いでHするマギー。
そんなジョンには、怖ろしく、美しい妻ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)と、2人の子供が……。
数年後、ジョンと結婚して娘と3人で暮らすマギー。
でも、家政婦状態の結婚生活に、満たされない。
そんなマギーは、ある計画をジョンの元妻であるジョーゼットに持ちかける。

マギーは男性とのお付き合いが半年以上続いたことがないんですが、恋愛はできなくても赤ちゃん欲しい!って。
一芸ある男子の精子を手に入れて、セルフ人工授精!って……。
ある意味「ドント・ブリーズ」ですね。
あれ?違うか(笑)
いたるとこで本作は、"ラブコメ"って書かれてるんですけど。
いやー、なんという近々未来SFか!
いや男子が震え上がる、近々未来ディストピア映画か!と、思いました。
だって、一芸ない男子の精子は、要らないって話ですよ。
一芸ない男子は、結婚とか、自分の子孫を遺すことができない世の中になる(笑)
女子が男子を今まで以上に、スペックオンリーで選ぶようになる!!

まだまだ日本はシングルマザーに優しくない国ですから、そういう選択をする女性は少ないかも知れませんが。
1人で子供を育てる環境がちゃんと整った時に、わざわざ疲れる恋愛して(恋愛ってYES・NOチャートの選択を間違えただけでとんでもない方向に行く可能性あり。コストパフォーマンスが悪い)、結婚して、子供作って、子供と子供みたいな旦那の世話を、精神的にも金銭的にも自立した女性が選ぶかなー?
マギーみたいな選択をする女性が、増えないかな?
ま、私も、恋愛は性能が上がったVRでいいかなーと思ってますし(笑)

しかも、本作のマギーの、カッコウ的な思考回路は……。
あ、もうネタバレになる!
すみません。これ以上言いません!

男の弱いとこ、女の弱いとこ、アホなとこ、怖いとこ、ずるいとこ、あんまり良くない部分をフューチャーして描いてるけど、嫌な感じはしないです。
寧ろ愛らしいと思えてしまうのは、主演のグレタさんはじめ、俳優さん達の力が大きいかも。脇のビル・ヘイダー!良いです。今回も良いです!
あと、お洒落感のせいですかね。

本作は松竹の「女子向け映画を紹介する課」みたいなところが、強力プッシュしてたんですけど、そんなガールズ・ムービーじゃないと思う。
女子が観て、元気がでる映画!っていうプロモーションだったんですが、これで元気がでる女子って……?
こえーよ。こえーよ。
男子ガクブル映画でっす(言い切りましたすみません)!

イーサン・ホークは美少年時代より、最近のダメ中年役になってからの方が好き。
こういう芸術家肌のダメ男に、私は弱いです。
と、分かっているので、なるべく近寄らないようにしています。

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さぽ太