劇場公開日 2017年1月21日

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マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ : 映画評論・批評

2017年1月10日更新

2017年1月21日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにてロードショー

インディ作品なのに、「スター映画」。今のニューヨークっぽい風俗も満載

70年代のダイアン・キートンや90年代のメグ・ライアンのように、その時代のニューヨークを体現するのにぴったりな女優というのがいる。2010年代、ニューヨークのヒロインという冠にふさわしい女優がいるとしたら、それは間違いなくグレタ・ガーウィグだろう。ハリウッド・メイドの女優とは一味違う肉体的な存在感と、天真爛漫でちょっと浮世離れした個性が、リーマン・ショック以降、新たな方向性を求めているこの街に合う。

29歳からの恋とセックス」ではロワー・イースト・サイド、「フランシス・ハ」ではブルックリン、「ミストレス・アメリカ」ではミッドタウンのランドマークから登場と縄張りを広げるかのようにニューヨークの各地域で主演映画を撮ってきたグレタが今回、やってきた舞台はグリニッチ・ビレッジ。彼女が演じるマギーは大学でアート・ビジネスを教えているという設定だ。

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定職がある役なんて彼女には珍しいと思っていたが、ヒロインのマギーの性格はいかにもグレタ・ガーウィグらしいもの。マギーは半年と恋愛が続かないので、大学時代の友人から精子を提供してもらって一人で出産しようと思っている。ところがそんな折、彼女の人生にジョンという男が現れる。彼はポストモダン文化人類学の気鋭の学者だが、同じく学者であり、コロンビア大学で学部長をオファーされているジョーゼットという妻がいる。自分よりも格上のパートナーの存在に抑圧を感じる彼は小説を書いて、新しい道を探っている。その小説をマギーが読んであげたことから二人は急接近し、結ばれることとなるのだが……。それから三年後、色々あってマギーはジョンをジョーゼットのもとに帰そうとする。

一人の男を巡る、現・妻と元・妻の共謀。何だかドロドロしそうな話だが、グレタ・ガーウィグの個性もあって、可愛らしいオペレッタのような話になっている。中規模の予算で作られたインディ作品なのに、間違いなくグレタありきの「スター映画」。その不思議なバランスが面白い。グリーン・マーケットやオーガニック食品、倉庫を改造したマギーとジョンの部屋など、今のニューヨークっぽい風俗も満載だ。

山崎まどか

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