劇場公開日 2017年1月21日

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「こうの鳥に任せて安心、子宝は天の恵み!ちょっと感情移入出来ません!」マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5こうの鳥に任せて安心、子宝は天の恵み!ちょっと感情移入出来ません!

2018年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

私は昭和世代で、しかも皇太子様と同年な為か、皇太子様が語られる様に子宝は、天からの授かり者であると強く信じて疑わない世代なのだ。

その為か、本作のマギーの様な考え方をする人々を進歩的で、如何にもアメリカの合理主義的考え方だとは理解していても、全くこの手の類の考え方には付いて行かれないのだ。
特に頭では色々な考えをする人が世界には存在する事を認めながらも感情の部分で受け付けられない人物像こそが、こう言う類の人間である。
それ故か、本作を映画館で観ていたにも関わらず、最近レンタル屋で借りて来て観る迄自分が既に観ている作品だと言う事すらすっかりと忘れてしまっていて印象に残らない作品だった。
ヒロインのマギーを演じているグレタ・ガーウィグの可愛らしさには好感が持てるものの、どうも
この物語には付いて行けなかったのだ。

人間の誕生の神秘を総て計算付くで、薦めて行く考えってアメリカのハイソな人々には多く受け入れられる感じもするけれど、こんな人生観で、人間の幸せなど得られるのか?
マジで馬鹿馬鹿しくなる。
いくらコメディー作品でも笑えない気がしたんだよね。

彼女と恋に落ちるジョンも痛々しい浮世離れした研究者のオタク。その妻ジョーゼットもこれまた身勝手極まりない合理主義の塊。
だけれども、ジョンもジョーゼットも結局、別れても元の鞘に収まる事を希望しているのだから、人間って結局結婚相手に選ぶ人は、生きる価値観が似ている人間同士が最も巧く行き易いのだろうな思える。
本作が描き出すマギーのジョン以外の男友達も含めて、出てくる人間が皆痛々しい人間に見えた。勿論ジョンもジョーゼットもマギー自身も総ての登場人物が滑稽で痛ましかった。
チャップリンが言うように、人の人生はクローズアップにすれば悲劇でも、俯瞰で見れば喜劇のようだと言ったのは、流石喜劇王の人間観察の見事な眼力と妙な処で思い出して関心をした。

こう言う家庭で育つ子供の未来はどうなるのか?もっともっとその辺りが知りたい気持ちで一杯になる作品だった。
それにして、イーサン・ホークは何時までだらしない男性像を演じるつもりなのだろうか?
そろそろ、こう言う男女絡みの作品は距離を考えれば良いのにと思うのは私だけだろうか?

ryuu topiann