「監督の思う壺」はじまりへの旅 猫柴さんの映画レビュー(感想・評価)
監督の思う壺
ポスターの雰囲気がオシャレで子供達も可愛くて
ムーンライトキングダムのような映画を想像してました。
が、社会と離れて森の中で暮らす一家。
知性も体力も完璧な子供達。知性はただ、本を暗記しているだけじゃなくきちんと自分の言葉で説明する考察力も備えて、疑問は家族で話し合ったり子供には何一つ隠す事なくSEXまで教えていく教育法。
しかし軍隊のような体力づくりをしたり、それぞれの意見を尊重しているようで、
大学進学について言い出せない息子を観てると
父の築いたものは砂の城だったことが段々とわかる。
そして万引き。
あー、駄目だ。
この家族好きになれない、、、
そして対比のように出てくる妹家族。
どっちも嫌いだ、、、
と思ってくるとそれが監督の思う壺のように
義父母から非難の的になる父。
理想的な教育、子育ての崩壊。
そこで子供と離れて終わっていたら嫌いなままだったけれど最善の方法で歩み出す。
長男との別れはグッときたし
新しい生活が始まっても自分のペースで本を静かに読むラストは焚き火の前の読書タイムと変わらぬ静寂な時間でとてもよかった。
どんなに立派な教育法だとしても
子供達は他者との関わりがあってこそ本当の自分が構成されていくのだと思う。
資本主義も民主主義もどんなに学んでもコーラもハンバーガーも経験できないんじゃ意味ないよ。
知って、経験して、選択することが大事と気付かされる映画。
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