「ファンタジーのような色使いに騙される」ルイの9番目の人生 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンタジーのような色使いに騙される
予告編を観て、なんかファンタジーっぽい?、少々ダークなファンタジーかな?、などと期待したなら今すぐ引き返した方がいい。
確かにファンタジー要素はあるのだが、完全にスリラー、サスペンス、ミステリー、そういった類いの作品だ。ホラーのような不気味さもある。
物語は、昏睡状態での意識のあり方を印象付けることから始まり、ルイが9歳の誕生日に崖から転落し一命をとりとめ昏睡状態に陥るところから本格的にスタートする。
ルイの意識、彼にこれまでに起きた命に関わるような事故、行方知れずの父親、処分権のルール、様々なことが折り重なって、物語の本質が何であるか悟らせないような複雑な作りは面白かった。
背筋も凍るような衝撃や、畳み掛けてくるスピード感などがなくて、深海のじめっとしたような、ねっとり感があり、作品の内容と合っているともいえるけど、盛り上がりが薄くて地味なところは残念だった。
薄幸そうな美人は特にモテるんだな。最低最悪に不幸な人になら簡単に幸を分けてあげられて、助けたという満足感を得やすいからだろうか。
幸の薄さより美人かどうかの方が重要かもしれないが、どちらにしても、男って本当に◯◯、な作品であった。
コメントする