「誰の気持ちで見て良いやら」ルイの9番目の人生 ドラゴンミズホさんの映画レビュー(感想・評価)
誰の気持ちで見て良いやら
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小説が原作だそうだが、そんな感じの作品だ。文章なら楽しめるかもしれないけど、映画にした時のチグハグな感じが出ている。
●誰の気持ちで見て良いのかが、わからない。主人公ルイは昏睡の中で自分の作りあげた世界観でしか語らないので、劇的欲求がわからない。全てを語るとネタバレになるからだが、感情移入はしにくい。
●母親が虐待しているのは早い段階で想像がついてしまった。
母親、父親のキャラクター像をよほど巧妙に描かないと分かる人は映画序盤で分かってしまう。そういう意味で文章に比べて映画はミスリードが難しい内容だと思う。
●ルイの心的成長があったのかないのか微妙。だから共感しにくい。父親の存在がそれを促したにしては弱い。全般的に父親を犯人にミスリードさせる為にルイとの心の交わりが描けない。強く描けば描くほどネタバレしてしまうからだ。
●ルイは虐待されていた。母親は精神疾患で収監。父親は死んだ。という救いないラストに無理やりルイを目覚めさすので、感動ポイントがよくわからない。
小説はベストセラーらしいけど、原作を読んでみたくなった。
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