ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気のレビュー・感想・評価
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2人の尊い愛と勇気が、のちに同性婚の合憲判断につながる
ローレル役のジュリアン・ムーアは、「アリスのままで」で若年性アルツハイマー病になる教授を演じてアカデミー主演女優賞を受賞。つまり、難病患者のなりきり演技はお墨付きなわけで、本作でもガンを患ってから衰弱していく様子の描写が圧巻だ。
本作の脚本は、トム・ハンクスがエイズになるゲイの弁護士を演じた「フィラデルフィア」の脚本家のロン・ナイスワーナー。彼自身もゲイを公表している。
また、ステイシー役のエレン・ペイジもレズビアンをカミングアウトしていて、本作では製作にも参加。つまり、同性愛者の映画人たちが元の実話に勇気づけられ、その愛をさらに多くの人へ「手渡していこう」という想いがあったからこそ、「ハンズ・オブ・ラヴ」が実現したのだ。その事実をおさえて観ると、一層感慨深くなるはず。
2人でリフォームした「家」が象徴的な意味を持ち、守るべき大切なもの、普遍的な価値を表している。
ジュリアン・ムーア
同性婚がまだ認められていない2000年代初頭。病に倒れつつも遺族年金で家のローンを手助けしようと主張するローレル(ムーア)。刑事ドラマから一気に郡政委員会の公聴会のドラマへと変貌する。同性婚が認められる第一歩となった判例なのだろう。
ジュリアン・ムーアがスキンヘッドにまでなって熱演した作品に価値がある。
がっかり、、
「ラブ・アゲイン」でたっぷり楽しませてくれたスティーブカレルとジュリアンムーアで、期待したががっかり。
レズビアンの権利、ということで、いかにもアメリカ的。
しかし予定調和で、やはりこうなるのね、続きで終わった。
表現の上で、工夫が見られない。
権利を主張するのはわかるが、
作品としてどうなのか?
ドキュメンタリー「フリーヘルド」を映画化
邦題はマイリー・サイラスが歌うエンディング曲から来ているのか。
実話ネタの上にドキュメンタリー短編があるのをまた映画化するという、同性婚推進派の影響力を感じる。
難病とレズビアン、更に有能な刑事を演じるジュリアンムーア。経験があるのでお手の物とはいえやはり凄い。
エレンペイジもジュノといいこういう役柄多い気がする。でも彼女は実際にレズビアンだとか。
スティーブカレルのキャラも毎度お馴染みという感じ。
正当な権利の主張がここまで難しいとは
遺族年金を同性パートナーに残す事が最終的には認められるが、ステイシーとローレルの愛や周りの暖かい応援に上層部のメンバーが心を動かされて…という理由ではなく自分達が年金をダブルで貰う予定であることが公表されたくないという恐怖感からであるというところが悔しく腹立たしいが、これが事実だったんだろう。
同性婚に対する差別の根強さだけでなく、警察上層部の金に対する汚さというかケチ臭さがみてとれる。
「賛成」のコメントを残す時だって、恥さらしだとかぐちぐち言いながらだし。
エレン・ペイジのガニ股歩きやポケッドハンドなどのボーイッシュな振る舞いは決してゲイ女性としてハマリ役ではないけれど、
ローレルに対する一途な愛を貫いて目に涙を浮かべながらも毅然に努める恋人役としては完璧に泣かせてくれる演技だと思う。
男らしいまっすぐさと、女性ならではの弱さを兼ね備えたステイシーはすごく魅力的なキャラクターだった。
相棒刑事のマイケル・シャノンも凄く素敵だった。仕事のパートナーとしてここまで思い合う相手がいた事が羨ましい。
誰もが葛藤を抱えながら目の前の壁と戦い、自分なりの答えを出していく。
それが世間に認められなかったり、親に否定されたり辛い答えになると分かっている時は大きな勇気を必要とするけれど自分に嘘をつきながらあきらめて生きていくことの方が余程辛いのだという事を受け取った気がする。
ローレルと海辺の散歩の回想で、あえて音楽が一切なくかすかにローレルの声が聞こえるシーンが凄く印象的。
同性愛モノは苦手!と言わずに、是非手に取って欲しい作品。
you have the power!
Fight for the equality.
My partner gave them justice- now they are denying it to her.
あのユダヤ人がパワフルでgood
Don't call me honey.
I love you too. lol
感動する題材ではあるけれど
もっと人としての2人にフォーカスして欲しかった
ステイシーの今後とかもろもろ
そりゃ法律とか大事だけど2人の気持ちは?
途中から本当に同性婚のための道具感があって
(劇中でもこの事については語られたが)
嫌だった
ただ、両者の演技は凄く良かったし
(特にエレンペイジ)
歩き方から良かったなあ
尚更この映画の構成が勿体無いというか
惜しい感じがした
でも素晴らしい実話映画の一つに加わることは
間違いないし、その中でも凄く愛に特化してる
たった10年でここまで同性婚の認可が進み
同性愛の認知も進んでるのは本当に
この時勇気を出した人々のお陰だと思うし
ただひたすら感謝と使命感が湧く
ステイシーの台詞
「愛する人に愛されること。家と犬とパートナー」
これは凄く響いたし、その通り。
どんな人を愛したって、こういう望みは変わらないし、これを手に入れたいだけ。それだけ。
ふたりでベットでこの話をするシーンが
お気に入りです。
ただ平等のために
敏腕刑事と車修理工のカップルが平等を勝ち取る話
ドキュメンタリー作品の映画化、ゲイカップルがパートナーに遺族年金を残せるよう当たり前の権利を手に入れるまでを描いた作品。
同性愛の権利を勝ち取る映画はあまり見ないのだが、本作を見て偏見はやめようと思った。
作品に出てくるカップルは当然の権利を主張しているだけなのに聞き入れてもらえない。保守的で同類以外認めない政治家や男達の妨害があるからだ。嫌な奴らだが自分も同じ立場なら同様にしていたかも知れない。
改めて正しい判断の重要性に気付かされた。
主人公たちの強さも凄いのだが、マイケル・シャノンが演じる相棒刑事がとてもよかった。
ノーマルでありながら、ジュリアン・ムーアの人間性を偏見なしで理解しようと努めるし、守り支えてくれる。かなりの勇気がないとできない事だ。それを相棒のため、正義のために行動に移せるのは本当にすごいと思う。
彼のキャラクターはこの映画でノーマルの観客達に道を示しているよのではないだろうか。
差別、偏見なしに正しい選択をすべきなのだと、勇気を持てと言われたきがした。
劇中セリフより
「やっと来たか」
居るべき場所に居ること
色々なしがらみのせいで居たい場所に居れない、自然でいられない人の立場を奪わにように努めたいものです。
船買
二人のラブストーリーが中心の映画だと思っていたけど、想像よりも政治的な話がメインだった。
そしてそういった雰囲気の映画になるとマイケル・シャノンの演技が光りまくる。
彼も現役最高レベルの俳優の一人だと思う。
小難しくなりそうな中でスティーブ・カレルが出てきてからのエンタメ度の急上昇も流石だった。
小粒だが演者が非常に上手く、なかなかの良作だった。
7
LOVE IS LOVE
(あらすじ)
ニュージャージー州オーシャン・カウンティ。
長年刑事として働くローレル(ジュリアン・ムーア)は、整備工のステイシー(エレン・ペイジ)と出会う。
親子ほど年齢が離れた2人だったが、じょじょに関係を深め、パートナーシップ制度を申請し、郊外に一軒家を購入します。
幸せな生活がスタートすると思われたが、ローレルが末期癌に冒されていることが分かる。
今の状態では、ローレルが亡くなるとステイシーは住宅ローンを払っていくことがでず、売却しなくてはいけない。
そこでローレルは、自分の遺族年金をステイシーに遺す申請をする。
しかし法律上、パートナーに遺すことはできなかった。
ローレルは残された時間で、ステイシーの為に"平等の権利"を求める申し立てをする。が、その戦いはいつしか大きくなり……。
本作は、2008年の実話を元にした映画化だそうです。
※第80回アカデミー賞で、短編ドキュメンタリー映画賞を受賞しています。
ローレルが命を賭けて求めた権利は、それから7年後「同性婚は合憲である」という米国連邦最高裁判所の判決に繋がったのかも知れません。
ローレルは優秀な刑事で、地域で初の女性警部補を狙っている。
その為、同性愛者であることを必死で隠そうとしています。長年のパートナーである相棒デーン(マイケル・シャノン)にも、そのことを告げていません。
かたやステーシーは、ローレルよりかなり年下なのに包容力があって、優しく、真っ直ぐに自分の気持ちをぶつけてきます。
勿論、同性愛者であることを隠そうとしません。
中盤までは、この2人の魅力を丁寧に描き、2人が少しずつ愛情を育んでいく様を微笑ましく見せてくれます。
同性愛を扱った映画の中では、一番好感が持てる2人でした。
そう!本作は、観客がどれだけ2人に好感を持つか?が、重要だと思います。
好感を持ち、応援したくなるか?が、鍵です。
その点、もともと好きだったエレン・ペイジが、もっと好きになりました。
この子はやっぱり、達者な子!
"JUNO ジュノ"
"ローラーガールズ・ダイアリー"
以降の作品は、エレンの魅力が生かせる役じゃないような気がしてました。
かなり年上のジュリアン・ムーアに、時に大人の包容力と、時に若い愛情とで接する姿は、素晴らしかったです。
ラスト、ローレルの横に寄りそうエレン・ペイジ。可愛かった!
ローレルは保守的な土地柄、また保守的な職場と(命を賭けた仕事の同僚が同性愛者ってだけで、刑事ってあんなに薄情になるんですかね?)、何層もある壁をぶち破らなくてはいけません。
男性の中で戦っている刑事、年下の差の恋愛、難病に苦しむ姿。
いくつもの顔を見せるジュリアン・ムーアに、魅せられました。
実は「アリスのままで」を観て、今後ジュリアン・ムーアがジョディ・フォスターのように「達者な私"だけ"を観て("ネル"以降)」!な作品ばっか出だしたら嫌だなぁーって思ってたんです。
が、本作はジュリアン・ムーア以外にも、怪物マイケル・シャノン。
そして怪物スティーブ・カレルが出演していますからね。
脇とのバランスも、絶妙でした。
また、同性愛、差別、国家権力への戦い、刑事アクション、難病などなど、色々と詰め込んでる割には、上手く纏まってました。
しかし、冒頭の、できる刑事なジュリアン・ムーアのアクションがそこそこの尺であって。個人的には、かなりそこしんどかったです。だぶっとしたジーンズから分かる、貧相なお尻とか。あのー、似合わないです!
あと、ローレルのファラ・フォーセットな髪型&ファションで、1980年代ころのお話かと、勘違いしてました。
あと、いつもの邦題問題!
なんすか!?
マイリー・サイラスの主題歌に引きずられたタイトルは!?
手のひらの勇気?てなんすか!?
原題のFreeheldとは"自由土地保有権"という意味です。
その土地の所有者は、自分の土地を自由に(売却するなりなんなり)することができる権利がある。というような意味ではないかと思います。
ローレルが一環して主張していたのは、あくまで「平等な権利」でした。
まぁ、直訳したら、観る人が減るでしょうけども(笑)
PS 主演のエレン・ペイジは、自身が同性愛者であることをカムアウトし、LGBT権利擁護活動にも熱心に参加しているようです。
元旦3本目‼︎ ジュリアンムーア マドンナみたいだった(笑) これ...
元旦3本目‼︎
ジュリアンムーア
マドンナみたいだった(笑)
これは
良かった‼︎
同性愛とかピンとこないなぁと
思ってたけど
仲間や家族の愛に涙〜
テーマには共鳴するが、映画としては少し頼りない。
LGBTに対する世間の目はまだまだ冷たい。2000年代初頭に、アメリカの保守的な地域において、同性パートナーに平等な権利を求める行動を起こした人々の物語。
「レズビアンだと知られたら出世は望めない」と遠く離れた土地に家を買い、男性優位の警察という組織で男性以上に体を張るジュリアン・ムーアの姿は、差別や偏見の中で妥協して生きる姿でもあるし、自分なりに折り合いをつけた生き方だ。既に、平等を手に入れるために苦労と努力をしている人物である。LGBTに対するが、法律や条例の中ではなく、日常にこそ根付いていることを示している。
ローレルとステイシーは、自分たちの関係を人に祝福させようなんてことは望んでいないし、認めさせようとも思っていない。だから、結婚が出来ないのであれば同性パートナー条例の適用で十分だし、同性婚への活動にはきわめて消極的。彼女たちが望んだのは、ごく当たり前にそこにあるはずの平等であって、当然の権利を手に入れるために努力と労力を強いられるというのは、理不尽なものだなぁと思い、実話であるという事実の力も手伝って病と制度に闘う姿は感動的ではあった。
もちろん、そのようにLGBTが世の中に受け入れられ理解されていくことを目指すその一つの過程としての物語として見られるものもあるけれども、それ以上に、個人的にはマイケル・シャノンの存在が活き活きとしており、同僚でありバディである仕事上のパートナーに対する愛情と献身の物語と捉えても良かったと思う。実際、この映画の影の主人公は完全にマイケル・シャノンで、当事者ではないニュートラルな立場にいるシャノンが一番物語の中で行動を起こしている、というのは気に入った部分。
ただこの作品、物語の視点がムーア→ペイジ→シャノンという風に不安定にスライドしているかのようで落ち着かず、全体的に見ても、伝えたい想いが強すぎて、映画としてのストーリーがまとまり切っていないような気もした。せめて、映画の「目」となる人物だけはきちんと定めてくれた方が良かった。
映画が紡ぐメッセージに共感し共鳴することと、映画の出来とは別の話で、テーマは感動的ではあるものの、映画単品として捉えると、やや骨格の頼りなさを感じてしまった。
差別撤廃。
アカデミー賞に輝いた短編を元に、主人公ローレルが愛する女性
に自身の遺族年金を残したいと訴えたことから始まる苦難の物語。
なぜ同性には認められないのだろう、事実婚を届け同居している
二人はどう考えても夫婦といっておかしくはない。それでも郡は
簡単に決定を覆さない。攻防を取り巻く支援団体や友人同僚らの
協力を含めやがて全米を巻き込む問題となっていった経緯を詳細
に描いていく本作だが、並行してローレルの病と二人の愛が深く
描かれていく。日本でも最近何かと話題になる個人のセクシュア
リティ問題だが、愛し合う二人が例え同性だからとそれが社会に
甚大な被害を及ぼすとは到底思えない。単に嫌悪感だけでものを
いっているのでイメージが先行し悪影響だと懸念される事が多い
差別の一つだ。ローレルもそんな生き辛い社会でひた隠しにして
頑張ってきたのだけれど、自身の命が短いと分かった今、残せる
遺産は大いに残してあげようと思うのは家族の当たり前の行為だ。
メディアが取り上げ話題になった後も、彼女は同性婚を訴えては
いない。あくまで年金の権利を認めてほしいことに集中している。
J・ムーアの熱演もあって生きざま自体がカッコいい女性だった。
そんな彼女を支え続けた同僚デーン(M・シャノン)も素晴らしい。
(家と犬とパートナー。短かいけど全てを手にできて幸せだったね)
人間として
多数派とは違う人であっても、人としてあたりまえに幸せに生きる権利がある。
平等の権利
2002年頃の実話を基にした映画ですが、アメリカがこの15年足らずの間に出来た事と日本を思うと複雑です。
主役2人の演技はとても素晴らしかった。さりげない表情、態度がとても自然だった。
警察署の人たちも、マッチョだけれど色々な人がいる。結局、いい人かどうかだよね、人間って…
美しくも現実を映し出す力強い映画
21世紀初頭、米国ニュージャージーの実話に基づく映画。刑事として23年間務めたローレンは、若い女性ステイシーと出会い、恋に落ちていく。ローレンはステイシーとの関係性が周囲にバレるのを恐れながらも、やがて二人はマイホームを購入し、犬を飼い、ドメスティック・パートナーとなった。「家、犬、パートナー」という共通の夢が叶おうとした時、ローレンが末期癌を患っており、余命僅かであることが発覚した。
ローレンは死を恐れなかったが、唯一の悲願は、自分の公務員としての遺族年金受給者をステイシーに指定することだった。しかし保守的な郡の委員会はそれを認めようとしなかった。同僚の協力によって、ローレンの物語は新聞に載り、そこで同性婚法制化を求める同性愛権利促進団体が助力を申し出た。事態が次第に社会運動化していき、それに対してステイシーは疑問に思っていたが、愛する人のために、そして後世に平等の種を残すために、ローレンは闘病生活の中で苦しみながらも運動に参加した。色々な人の努力の末、委員会は嫌々ながらもやっと遺族年金受給者をステイシーに指定することを認め、運動は成功した。
その後、ローレンは休職のまま警部補に抜擢され、光栄の死を遂げた。この勇気の物語は、やがて後の同性婚法制化の動きに繋がった。
話の展開はやや予定調和な感じがするが、実話なのであまりドラマティックに改変できないからそこは仕方が無いと思う。全体的に、愛の美しさと人間の強さに心を打たれる映画である。苦しみながらも闘病し続けるローレン、パートナーを失う絶望で涙に暮れながらも強かに愛を信じ、差別に立ち向かうステイシーの姿を見ると、思わず涙ぐむ。
ただ、「愛の美しさと強かさ」以外にも、幾つか考えさせられるポイントがあった。例えば、同性愛者権利促進運動団体の助力と執拗な抗議活動が無ければ、事態が成功がそもそも望めなかったということ。ローレンの年金受給者という一見して個人的なことなのだが、「個人的なことは政治的なことである」という名言を証明する絶好の事例である。この実話は2002年前後に起こったことなのだが、現在の日本や台湾のことを思うと、残念ながら2016年の日本と台湾は2002年のニュージャージーにすら及ばない。権利促進の政治的な活動を嫌い、いつまでも「理解促進」に留まる日本のLGBT事情を思えば、自分を取り巻く現実に対してより一層絶望を感じる。
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