「5歳、広い世界へ」ルーム bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
5歳、広い世界へ
実話をもとにした、監禁事件のサスペンス。しかし、内容は監禁から脱出して、本来の世界に戻ってからの親子のヒューマン・ドラマと言える。
前半は、監禁されていた天窓のある狭い小屋からの脱出劇。7年にも渡る監禁生活の中で、ジャックが生まれ、そこだけが、ジャックと母の世界。母はジャックを守ることだけに、命をかけてきた。そして、ジャックの脱出劇。
後半は、親子ともに脱出、犯人も逮捕。そして元の暮らしに戻っていくが…。そこにあるあまりにも長かった空白の時と犯人の子供であるジャックへの蟠り。また、周りからの痛い視線に翻弄されていき、母の心が壊れていく。
しかし、子供はその点で柔軟に対応していく。最初こそ馴染めずに居たジャックも、次第に現実の暮らしに慣れ、母よりも早く溶け込み、それまでの自分から逞しく進み出ていく。
本作のテーマは、親子愛であると思う。母の台詞の中にあった「子供を愛せない親は、父親ではない」が、正に本作品の根幹を貫く台詞であると感じた。
主演のブリー・ラーソンは、アカデミー賞主演女優賞を獲得しただけあり、子供を懸命に守る迫真の演技は、鬼気迫るものもあった。それ以上に、ジェイコブ・トレンブレイの演技は、子供の演技を超えた素晴らしい役者ですね。母を思う意地らしい演技は、涙を誘う。
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