「”リアルな世界” とは何か」ルーム UtAさんの映画レビュー(感想・評価)
”リアルな世界” とは何か
クリックして本文を読む
「部屋」は、彼にとって「世界」のすべてだった。ジャックにとって、外の世界は宇宙だ。初めて本物の「空」を見た時の彼は、驚きと希望で満ちており、見ている側にも高揚感を抱かせる。
「こんなに世界って美しいんだ」そんな気持ちにさせてくれる映画だと思う。
ブリ―・ラーソン演じる女性の心の葛藤もリアルだ。「部屋」では、「母親」であることで保たれていた心が、「部屋」から出ることで、彼女は「母親」であり、性的虐待、監禁を強いられたひとりの被害者、「女性」であった。そして、彼女の両親にとって彼女の子供は「娘を犯した男の子供」でもある。
「部屋」から出たら、おしまい、なんてならないところが、まさにリアル。現実社会に生きる葛藤、葛藤に打ち勝つ希望を見事に描いた作品だったと思う。
コメントする