「ブラックスワンを彷彿とさせるダサい話・クサい演出」ルーム エイブルさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラックスワンを彷彿とさせるダサい話・クサい演出
エネルギッシュな映画、という褒め言葉ちょっと思ったが、しかし違った。むしろこの作品は、思考停止なのではないかと思う。
というのは、「この設定だとやはりこうなるだろうな」の、「やっぱり」の理屈っぽい再現をいちいち、手足縛られた挙句胸ぐら掴まれ無理やりまぶたこじあけられるよう、暴力的な恐怖感を煽るカットの塗り重ね多くみられ、話のつまらなさ、演出の低俗さが、やたらに目立っていた。デスメタル愛好の黒装束集団趣味なんだろう、と勘違いされるきらいがあるので、けっして私の知り合いにはすすめないようにしよう、と決した。
私はやっぱり感動したいから映画を観ている。私のような大感動屋さんの、感動を味わうべくの触覚のヒダ、そのはびこらせ方は、動き・構造、我ながら天才的なまでに捕らえがたく繊細巧緻なのだが、その稀有なる触覚、本作の、「そうでしょうね」説明連続を観て火傷負わされたらしい。ただれてしまったこの私には、今後慰みの時が必要だ。
案外、ああなればこうなる、が連続する、理屈ばかりの通った、説明過多な映画。
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