「とても繊細な「母子の成長記」」ルーム Rinさんの映画レビュー(感想・評価)
とても繊細な「母子の成長記」
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この作品は、母子の絆を描いた作品かと思っていたけど、ちょっと違った。母と子、それぞれの成長を描いた作品だった。
もし自分の子が生まれてからの5年間、狭い納屋の中でしか生きていなかったら。。
そして、もし自分が、17歳で誘拐され、誘拐犯の子を孕み、産み育て、7年間も幽閉されていたら。。
この映画は閉じ込められたルームと誘拐犯からの脱出劇ではない。大事なのはその後。
閉じ込められていた母と子が、いかにして変化、成長していくかを描いている。
だからむしろタイトルはout of the roomでいいとおもう。
5歳の柔軟性と24歳の脆さ、未来を築く少年と過去に縛られる女性。
同じく弱さを抱えるふたりだから、一緒だと強くなれる。だけど、弱くもなってしまう。
とても難しく、繊細な成長記であり、ラストはこのふたりの成長の証にぴったりだったと思う。
最後まで主人公の父親とジャックが愛しあえなかったのがちょっと残念だけど。
彼はレオとの良い対比になってました。ただ、レオは血の繋がりがないからこそ客観的かつ冷静、そして優しくあれたのかもしれない。
ジャックのアイラブユーぐらんま、と、こんなに狭かったっけ?〜バイバイプラントのくだりに涙が溢れました。
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