「なんなんだ、この子役のうまさは!!」ルーム 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
なんなんだ、この子役のうまさは!!
監禁もの。といっても日本の映画のようにジメジメッとしないのがアメリカだなあ。
さあ脱出できてメデタシメデタシ、っていかないのがこの映画の支持される所以なのだな。
晴れて自由を手にしたと思いきや、おそらく自分が誘拐されたことが原因で離婚してしまった両親、犯人に手を付けられた自分を汚れたものを見るような目で見る父親、その父親はジャックと視線さえもあわせようとしない、見舞いにさえ来ない親友たち、心無い質問を容赦なくあびせるインタビュア、、、帰ってきた世間がこんなにも居心地が悪いとは思いもしなかったジョイ。
結局、監禁されていた7年間、自分だけが苦しんでいたのではないか?、一緒に暮らしてきたジャックでさえ、自分の犠牲にしてきてしまったのではないか?せっかく自由な世界に戻ったのに、どんどん殻に籠っていってしまうジョイだった。
それに引き換え、たった10㎡の部屋から広い世界にやってきたジャックは、どんどん新しいものや人間関係を作り上げていって順応していく。
そんな対照的な二人が痛々しく、行く先が危ぶまれて切なくなっていった。
でも幸いだったのは、レオの存在だったんじゃないだろうか。
バアバがいくら味方でも、レオが注意深く二人を迎え入れてくれたからこそ、徐々に落ち着きを取り戻せる環境ができたのではないだろうか。
そしてジョイにとって、ジャックが希望の光であることを改めて気付いたことで、全ては好転していくのだ。その過程に、胸を打たれずにはいられないほどの感動があった。
ジョイ役のブリー・ラーソンがオスカーを獲ったのは納得するとしても、子役のジェイコブ君だってすごかった。ありゃあ天才だ。
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