「就活がゴールじゃない、わかっていても」何者 ぽんさんの映画レビュー(感想・評価)
就活がゴールじゃない、わかっていても
就活中は辛いよなあ、とまず単純に思いました。笑
正直、作品全体としては地味だな思いました。
でもあとあと考えて、この作品の良かったと思うところは、『就活生のリアルな心の重たさが作品全体に漂っているところ。』だと思いました。
鑑賞中は空気が重くて、就活ごときで一生決まる訳じゃないんだから、なんて他人事のように観ていましたが、
就活真っ最中の就活生にとっては目の前のことでいっぱいいっぱい。
こういう気持ちになるんでしょうね…。
自分のことが見えず、鋭い観察者ぶる佐藤健。
頑張ってることをアピールしていないと心を保っていられない二階堂ふみ。
自分の中の傑作から出られない岡田将生。
本人たちは自分がもっともらしいこと言って、正しいって、カッコいいとすら思ってるけど、周囲からしたら痛々しい。
就活で周囲が気になりすぎて変に神経質になるし、素直に友人の内定を祝えなかったり、将来が見えなくなったり。
うん、こういうのって、
現実と向き合って素直に頑張る有村架純タイプとか、
持ち前の裏表のない純粋な明るさで周囲に魅力を振りまく菅田将暉タイプが
順当に結果出すよなあ、と納得しながら見てました。
前者3人はそれぞれが他人を見下し、自分を客観視できない、自分と他人を比べて優ってると勘違いしている。
他人と比べることに依存している人たちです。
ある意味で自分を持っていない、周囲の価値観に流されて生きてきたところがあるんでしょうか。
自分は自分、他人は他人。
就活生に限らず、誰しもそう割り切って生きていくべきだよなと思わされました。
当たり前のことを改めて感じた作品でした。
特に有村架純の「20点30点でも外に出さなきゃ、評価もらわなきゃ意味ないんだよ!」的なセリフが印象的でした。(全然違ったらごめんなさい笑)
これを言われた岡田将生は、本当の自分の程度なんてどこかで分かっていて、実力を外部に評価されるのが怖かったんでしょうね。
私もクリエイター志望として、彼の気持ちに共感した部分かあるので、有村架純のこのセリフが直球できました。
観終わった瞬間はウーン…
でもよくよく考えたら、リアルで良くできた作品だと思いました。