レッドタートル ある島の物語のレビュー・感想・評価
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泣いた映画
この作品、無声映画ということで敬遠している人が多いのではないだろうか。
しかし、無声映画だからこそ、物語のつじつまがあっていなくてはならないし、過剰な演出で誤魔化すことができないから、かえって面白かったりする。
この作品、ものの見方が非常にジブリっぽい。
単なる無人島もので終わらない。
子どもが産まれ、災害がおき、子供の旅立ちを見送り、愛するパートナーとの別れも描く。
非常に人生というものをとらえた作品だと私は思う。
そんなにストーリーが複雑なわけではない。
大ヒット上映中! ←?
平日の朝一番だったので私ともう一人の女性の、2人しか客が
おらず、その分集中して鑑賞出来たのは好都合でした。
意図的に台詞が無く(監督のインタビューより)、人物たちの
表情の変化もそれほど無いので、観ている人の想像に委ねている
部分がものすごく大きい内容でしたので。
一言でいえば、人を選ぶ映画だなと思いました。
「ジブリだから」と期待して来た人は・・・あれ? てな感じです。
物語冒頭の荒々しい海・静かに透き通ってキレイな海・
深くて暗くて吸い込まれるような海。どれも美しく
描かれています。劇中に流れる音楽も、耳にとても心地よく
穏やかな気持ちになれました。
正直、製作側の意図の全てを理解して映画を存分に楽しめたとは
到底思えない。 けれどそれでいい気もしています。
今年は『父を探して』や、ジブリの影響が大きい『ソング・オブ・
ザ・シー 海のうた』も良かったし、観た後に余韻を残すアニメ?
が多い気がする。
夢だったのかしら
なんだか…凄く地に足ついたドキュメンタリーのようで、実際は夢の中だったの?といった不思議さを楽しむファンタジーでした……そう、あれだ、ミヒャエルエンデの果てしない物語みたいな、あの世界観♪
自分の中の、経験から得た常識を今一度忘れて観てみると、最後まで気が抜けない展開にスンナリ引き込まれていけました。
難点を言えば、カニが少々出過ぎだったかな(笑)動物の本能で動く物に目が行っちゃうぶん、前後のストーリーがブツッと途切れてしまうのが残念でした。可愛かったけどね♪でもキミたち主役じゃないでしょ、ペチペチ!って気分に(笑)
これは大人のムード漂う知性的な作品に見えて、実際に終始面白く観覧してられるのは子供たちなのかもしれませんね。そう、思うとさすが!ジブリさんです。
たまにはこういう映画も悪くない。
「レッドタートル」鑑賞。
〈あらすじ〉
嵐で荒れ狂う海に放り出された男は、九死に一生を得て、なんとか無人島に漂着する。島からの脱出を試みるが、不思議な力で何度も島に引き戻されてしまう。そんな絶望的な状況のなか、一人の女性が現れる。
◎良かった所
・実は、公開初日に観に行こうとしていた作品。諸事情の関係で、なかなか観に行くことが出来ず、ようやく今日観れました(^^;
・ジブリですが、ジブリっぽいアニメーションではなく、しかも台詞がほぼありませんし、登場人物もかなり少ないです。他のレビューでは、あまり評価が悪いようですが、個人的には、良かったです。何が良かったかといいますと、やっぱり雰囲気ですね~w
・雰囲気、そしてキャラクターの細かい動きがリアル。カニと亀が可愛かった(^^)
・音楽も神秘的。
・ストーリーも単純。不思議な力で、島に戻される所やレッドタートルが女性だったこと、映像が神秘的で、表現が少しオーバーかも知れませんが、見終わった直後、疲れた心が癒されるそんな不思議な気持ちになりました。(^^)
・男性とレッドタートルの女性が愛し合い、男の子が誕生し、幼少~青年期まで成長→独立→父親の死→別れまで描かれてました。男性とその子供の顔がそっくりでしたが、髭の濃さで判別できました(笑)
・終盤は、とても悲しかったです。。あの終わり方もジーンときました。(>_<)
◎気になった所
・独立した子供はあれからどうなったのか気になる。
・舟を造るのがめちゃくちゃ早い。
・セリフがない為、想像力が必要。
~まとめ~
・あまり評価が悪いようですが、個人的にはこういう映画も悪くないかなって思いました。ジブリっぽくないけど、とても良かったです。(^^)
疲れている時に観なくて良かった
疲れている時に観たら心地よい眠りに誘われていたのは間違いない。つまらないとは言わないけど、とても面白いという類の映画でも勿論ない。そして物語を物語として解釈するのも一筋縄ではいかず、パンフレットにそれを求めたけど、パンフレットもどこかのインタビューの転載記事ばかりだったのはちょっと残念。映画としてはカニさんたちにかなり救われていると思う。
そっと重ねる手の、永遠の温もり…(あえて手と言おう)。
永遠に満ち欠けする月。打ち寄せる波。
憤らず、絶望せず、責めず、諦めず…
いたわりを込めて、そっと重ねる手の穏やかな温もり。
奪い、そして与える命の一瞬のきらめき。
命と命が静かに寄り添い
二つの軌跡がやがて一つの道に重なる…
当たり前でありながらかけがえのない、日常。
80分間。スクリーンを満たす広大な余白と、
微かな、でも確かな地球の息遣い。
シネコンの大スクリーンで感じられるうちに、と
これまでに3回観た。
観るたびに、新しい何かを発見できる。
観るたびに、違うシーンで涙が流れ、胸が揺さぶられる。
50年と少し生きてきたが
こんな映画に出逢ったのは初めてだ。
間違いなく、私のベストワン。
「岸辺のふたり」(原題 Father and Daughter の方が好き)も
大好きだったが、あれから10年。
ヴィット監督、高畑&鈴木氏、ありがとう!!!
あまりジブリっぽくない
海外と共同制作のせいか、ほとんどセリフが無くて、描写と音楽だけ。想像してたのと違った。
個人的に絵がそこまで綺麗ではないと思った。目が点で、ちょっと雑な感じがした。
やっぱり、ジブリといったら、宮崎駿なのかな?今回の作品は、色んな意味でもジブリっぽくないと感じた。
浜辺のふたり。
この監督の「岸辺のふたり」は自身のベスト5に入っている。
こりゃもう観ないわけにはいかないなとすぐ観に行ったが、
ジブリプロデュースの長編ということで趣はファンタジー
化しており、様々な解釈ができる内容の作品となっている。
人によっては飽きてしまうだろうが、妄想に耽る性分には
もってこいの作品なので、自身は♀ということもあり早速
レッドタートルに想いが入る…この赤亀は溺れていた男に
恋をしたんじゃないか。それで島まで流したんじゃないか。
命を守るため島を出ようとした男を止め、赦しを乞う男を
受け入れるため次は女へと変身する。夫婦となって子供を
授かり成長させて…と、まるで人間のような幸せに浸って
男を生涯この島に留まらせて添い遂げた恋する赤亀の物語。
そう考えたら、あの、いかだに乗った男を見つめる赤亀の
「私よ。ねえ覚えてる?」っていう顔が愛しくてたまらない。
この妄想だと彼は不幸だったかもしれないが(帰れなくて)
その分、息子が自立して旅立ったからいいじゃないのよと
私もかなり強引なレッドタートル思考の持ち主と確信した。
(浜辺で寄り添いダンスする姿はまさに「浜辺のふたり」ね)
綺麗
絵がすごく綺麗だったな。
物語も人物の表情もシンプル。
それゆえ分かりにくい。
分かりにくいぶん、考えろと言われている気がする。
見終わってすぐには、良かったとも悪かったとも
言い難い作品。そんな作品は初めてかも。
もう一度見たい気もするし、そうでない気もする。
んーー、難しいな。
赤亀の彼女は、なぜ見知らぬはずの彼の幸せを願い、叶えたのだろう。
何度も繰り返し観たい
こういう映画はなかなか無い。自然と引き込まれる。
セリフはないが、ありありと表現され、空白があることで観る側の想像力が引き出される。
人間と自然が対等の存在として感じられた。自然には抗えない、というよりも、対等の存在として。私たちはどこから来て、どこに行くのか。そこにはいのちが感じられた。いのちを産む女性と自然への畏敬の念。
この作品に出会えて、ようやく少し解放されたような気持ちになれた。
この作品はフランス人の監督が抜擢され、ジブリと協力して素晴らしい作品を作ってくれた。これからの映画も国家という概念を無くして世界中の人々が協力していい作品を作るようになって欲しいと思う。
ジブリ最新作
上映時間が遅かったために一人レイトショー。
私の他に女性が二人という少なさ。
映画は、真っ暗闇と音、台風のようなシーンから始まってハラハラする場面がいっぱい。
台詞がない、言葉がない、音と映像だけ。
舞台は島と海。
人と海亀、時々カニ。
ジブリ特有の不思議なところがいっぱい。
何回かみないと何を伝えたいのかわからない。
いつも通り、自然がきれいに描写されてて、音もすごいなーと思った。
これは、映画館じゃなかったら集中して見れなかったかも(笑)
“なんとなく良かった”という感覚
亀=長寿=神秘的ってのは世界共通のイメージなんだろうか?
大自然にぽつんと一人っていう引きの画が思っていた以上にスクリーンとの相性バッチリだった。
内容はなかなかに詩的で不思議なところもあるけど、そこを掘り下げて言葉にしてしまうのは野暮な気がしてくる。
“なんとなく良かった”の感覚でいいんじゃないかなって。
人間の生も死も営みも、漂いうつろう自然界のほんの一部。
台詞がないからじっくり観察しようと引き込まれる。
突然ファンタジーのような展開になるから不意を突かれる。
現実的な災害(どこかで誰かが書いているけど書かないでおこう)に見舞われるから身構える。
そして、何とも言えずに苦しくなる。
なんだこれ、わけわからないじゃないかと思った。
「人魚姫」に、「浦島太郎」や「かぐや姫」などなどいろいろな日本昔話の要素を読み取れというのか。
それともこれは、監督の短編「岸辺のふたり」(検索すればyou tubeで観れます)の焼き直しだとでもいうのか。
まるで解釈を読み人に丸投げしてきた大人の絵本のようだ。
なのになんだ、この、悲しい夢を見てめざめた朝のような、胸の苦しみは。
ざまあみろ、と思った。
ジブリの看板につられて観にきてポカンとしている奴、ざまあみろ、と思った。
文明主義や唯物論こそ至上であると信じている連中、ざまあみろ、と思った。
スクリーントーンのような単調な背景が、現代の緻密な作画のアニメへのアンチテーゼのようで、ざまあみろと思った。
映画がビジネスである以上、商業主義であることは間違いではないが、そんなのばっかりなのが間違いなのだ。「君の名は」も「聲の形」もよかった。だけど、シネコンで10本以上の映画を上映しているなら、そのうちせめて一本はこういう映画(アニメに限らず)をやってほしい。
この時代、こんなアニメを作ってくれてありがとうと思った。
文学アニメ
んー、わからないことだらけ。
これを手放しで「素晴らしい!」とは言えない。
小説で言えば純文学なのかも。
私にはまだ理解できないことが多い。
ジブリの配給という、
ジブリの手がほとんどかかっていない作品なので
ジブリを期待して見れば当然裏切られます。
ただ、こんな映画もあるんだ、
世界の上質な、エンタメアニメでない
アニメというものを見る機会にはなります。
極上のAnimation
1年に1本とは言わない。
せめて3年に1本はこんな感じのAnimationを極めたアニメーション作品が出て然るべきなんだ。
美少女が出てきて、壮大な時空を超えた冒険や甘ったるい恋愛劇を繰り広げる大衆に媚びた作品ばかり作られていては、アニメという芸術は停滞し、いつか衰退していくに違いない。尖った、求道的な、この作品のようなアニメを、俺は愛おしく思う。
難解で哲学歴な作品かと思いきや、内容はものすごくシンプル。深読みしようとすればいくらもできるが、この作品はざっくり言ってしまえばファンタジックなキャスト・アウェイだ。
漂流した男が四苦八苦しながら島を脱出しようともがき、不思議な出逢いを経て、小さな島で人生を全うする様を描いた、淡々としたドキュメンタリー映画のような構成。それをアニメーションでしか描けない美しい情景で彩っている。
絶海の孤島が舞台だけあり、水の表現はバリエーションに富みどれもが非常に美しい。
まるで空を飛んでいるような、でも確かに水の中を泳いでいるとわかる、うっとりするような幻想的な、しかしこの世界のどこかにこんな情景があるのではないかと思える現実味も伴って、透き通った無色透明の、吸い込まれるような深い青の、鈍く光る白銀の、色々な海の世界が描かれている。それに特化した作品といっても過言ではない。
また音楽も素晴らしい。メインテーマのメロディは耳に染み付いて離れない。
謎が多いシナリオだが、その謎を強いて解き明かそうという気分にはならない。そういうものだと納得させられているような感覚だ。
子供の旅立ちは入水自殺にしか見えない。亀が男の船を壊して引き止めたのは、そもそも霊亀が男を愛していて夫とするためだったのだろうか?
とはいえ前述のように、そこらへんを深堀したい、裏設定を知りたいという欲求には駆られない。
「スタジオジブリ最新作!」と銘打って宣伝すれば何も知らない一般人をそれなりに釣ることもできたのだろうに、プロモーションの時点で「はい!このアニメは一般人向けではありませんからね~素人は来ないでくださいね~来ても責任持ちませんよ~」という敷居の高さを隠さない姿勢だったのは偉いと思う。
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