劇場公開日 2016年8月26日

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「この作品の不思議な力」君の名は。 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この作品の不思議な力

2018年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

知的

大ヒット作であるが、この映画を傑作と見るか、駄作と見るかは、ラストの見方で決まってしまうと思う。ラストの再開のシーンに感動する人と、ありふれたハッピーエンドで片づける人の差である。ここには新海監督が伝えたかったことが集約されている。それは人智を超えた不思議な力に共感するということである。瀧と三つ葉は本人の意志とは関係なく「運命の人」になってしまう。それをさせたのが神なのか自然の偉大な力か、人間が無意識に持つ力かは分からない。その力が二人の心と体を入れ替えさせ、町の滅亡という運命に立ち向かわせる。「組み紐」「口噛み酒」「かはたれ時」など、不思議の力を暗示するものが散りばめられている。それまでの展開で不思議の力に共感してきた人が、記憶はなくてもすぐにわかる二人の再会シーンに感動できるのである。
前半の軽い青春ストーリー的な感じも面白いし、後半の緊迫感ある幻想小説風な展開も見ごたえある。抒情的で美しい絵や、RADWIMPSの少し大げさな音楽とも相まって、多くの人の支持を得たのでしょう。

ガバチョ