「君の名は。」君の名は。 moonさんの映画レビュー(感想・評価)
君の名は。
私は60前。日本ではブームも終了しかけているのか観客はまばら。しかし同年代らしき人たちも結構いました。
結論から言えば、日本人ならともかく見ておくべきアニメでしょうね。
アニメのクオリティーはエヴァンゲリオンから、宮崎駿を経て一気に高くなりましたねえ。「え、これアニメ?」とも思われるディテイルがありました。
さて、内容ですが、これは若い男女のすれ違いと再会の恋愛物語、なのですが、それは一面であって、実は青年たちが「生きて行く意味を探して行く」ための元気をもらえるドラマツルギーでしょう。人間は親の「勝手」で生まれてしまう。世界には根本的に自由な人もあれば、不自由な人もいる。でも「自分が求める何か」を探しに行こうじゃないか、という作者のメッセージが伝わって来ます。人は老いも若きも、時に生きる意味を喪失して、無情感に襲われますが、こういう人間再生のドラマツルギーによって「生き直し」=魂の洗濯、ができます。
卒業、就職、恋愛、結婚。日本人の平和な人々、それぞれに生きる意味の獲得が広がっています。世界もそうでしょう。
絶望しても、そこにドラマがあれば、人間は何度も生き直すことができます。それがドラマ(文学、映像)の力。
高校生のお客さんもいましたが、中高年も混じっていてみなさん引き込まれていたようです。
深い意味と見るか、恋愛物語と見るか。皆さんいろんな解釈で楽しんでください。どっちにしても命の洗濯になりますよ〜
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