「理性と感情のバトルロイヤル!」君の名は。 showさんの映画レビュー(感想・評価)
理性と感情のバトルロイヤル!
日本映画界に彗星のごとく現れ、本作でビッグバンを起こしてしまった新海誠監督の最新作を、TOHOシネマズ渋谷で鑑賞。
8月からの忙しさの中で、急速な映画離れが進んでいたんですが、
本作はいろんなところでいろんな風に話題になっているし、「これはきっと、今観なかったことを3年後に後悔しそうだな。」というセンサーが働き、
重い腰を上げてようやく鑑賞しました。
公開から2カ月も経っているのに、場内はほぼ満員!
カップル・女性グループ・男性グループ・20代から70代くらいのお一人様たち、とファミリー以外の全ての層でごった返していました。
簡単にいうと、男女入れ替わり青春モノなんですが、
そこに3・11っゆうスパイスを加えるだけで、こんなにも「立派な作品」に見えてしまうとは!
この映画、端的に言うと「感覚で観る」映画です。
前半部の入れ替わりシークエンスは、もうやり尽くされてる感があるので、敢えて丁寧には描かずに省略に省略を重ねた話運び。
なんで入れ替わるの?
入れ替わったのに、案外しっかり生活できてる!
そもそも、あなた達は誰と誰?
といった観客の疑問なんて無視するかのように、「そんなものは観てる側で考えてよ!」と丸投げ状態のまま話は進みます。
ここでついていけないと、ずっと苦痛の映画鑑賞になりますので、うまく飲み込んであげましょう。
後半、一気に物語の方向性が変わります。
そこからは「どーゆーこと???」が一億個くらい出てきますが、理解しようとしたらダメです。理解しようと考えだした時点で負けです。
彼・彼女の感情の波に飲み込まれて、流されるままに身を委ねるしかありません。
委ねて観てると、あれよあれよと感情が高ぶって、なんだかよくわかんないのにボロッボロに涙がでます。
そして、ラストは発狂しそうなほどの疑問と、それを超える感情の高ぶり!
理性と感情がぶつかりあって、乱闘騒ぎのまま閉幕。
本作が社会現象になるまでの大ヒットをした理由は、正直わかりません。
ただ鑑賞中、自分自身の「夢のこと」とか「学生時代のこと」とか「3・11のこと」とか、いろんなことを思い出しながら鑑賞して、怒涛の感動に繋がったことを考えると、
観客それぞれの一片一片の私事の数々が、本作の感動を後押ししているから、こんなにも大ヒットしているんじゃないか、と思いました。
一部の映画ファンには認知されていたかもしれませんが、世間一般として見たら「シンカイマコト?誰この人??」って反応じゃないですかね?w
いままで2億行かない程度だったのが、ここまでの大ヒットですから、映画業界もしても「彗星の如く現れた」で間違ってないとおもいます。