「二回目の視聴を終えて、思うこと」君の名は。 SnRさんの映画レビュー(感想・評価)
二回目の視聴を終えて、思うこと
二回目の視聴を終えて、思うこと
一回目の視聴で最も印象的だったのは、物語の最後に二人に頼むから出会ってくれと劇場内の多くの人が祈る気持ち、劇場内の想いが一つになる映画って素晴らしい、でした。
(反面、秒速5センチメートルを知っている視聴者は、子どもを人質に取られた親のごとく気が気でなく、感動できる場面もハラハラさせられ続ける映画でもありました)
「私たちは、会えばぜったい、すぐに分かる!」三葉の台詞に代表されるような、願い、祈りと希望に溢れた作品だと感じました。
小説を読了後に二回目の視聴に臨みました。
二回目の視聴はストーリーの大筋も終えており細かい部分に気を配る余裕ができました。
・オープニングの時点で三葉と瀧君は二人とも東京で生存している世界になっていること
・瀧君が入っているときの三葉は、眉が根性悪そうな形になっている、髪が上手く結えないので一つ縛りになっていること
・随所で入るキーワードの「おぼえて・・・ない?」の意味
・決して直接会うことのない二人の仲が親密になっていくエピソード
瀧君とテッシーが三葉にカフェを作ってあげるシーン
三葉にノートでコンプレックスを抱くなみたいなアドバイスをしてあげる瀧君
女子力の高さで瀧君をサポートする三葉、可愛らしい日記を残す三葉
・彗星を見上げた瞬間の二人の感想が完全に同一にハモっているシーン(瀧君が入れ替わりに選ばれた理由の一つかも)
・「あの人の名前が思い出せない!」と切迫した表情を浮かべる三葉、ここはテッシーが失恋するシーンなんだなと気がつきました
・父親(町長)が「お前は誰だ?」と驚きの表情を浮かべて問いかけるシーン、
物語の最終盤で町長の部屋には絶縁状態にあった一葉おばあちゃんがいること、
ひょっとすると父親と母親(二葉)も入れ替わりの経験者だったのではないか?その可能性すら感じました
二葉が四葉の出産後に亡くなったシーンで「救えなかった」と強く悲しむするシーンも、過去に運命に抗った者の後悔と考えることもできそう
・父親は大学の先生だったようです(考古学だっけ?)、その後神職、政治家という経歴だったこと
・山頂でカタハレ時が終わった瞬間にあの世の三葉が消えたのは、別の場所に(東京か?)に出現した世界に生まれ変わった
あの瞬間に世界が産み直されたのでしょう
・カタハレ時に互いの名前を書くシーン、三葉の「み」の字よりも横棒が長い、三葉も「す」きと告白しようとしたのではないか
こういった視聴者に妄想させる適度な隙を持たせた、素晴らしい映画だと再認識しました
運命の二人の希望、祈り、願い、を視聴者もまた共に追い、視聴者もまた祈る。
これは希望への祈りの映画です。