「夢の対決、予想以上に面白かった」貞子vs伽椰子 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
夢の対決、予想以上に面白かった
Jホラーの金字塔と言える「リング」と「呪怨」も、続編の回を重ねるごとに劣化の一途を辿っていただけに、大きな期待は抱かずただただネタを楽しめればぐらいで見てみたら、予想以上に面白くてこれはホント最高でしたね。
細かいことを言えば突っ込みどころも多々あって、完成度と言う意味では微妙なんですけど、こう言う企画モノは細かいことは抜きにして単純に楽しめればそれでOK!
もはや近作では完全ゆるキャラ状態となってしまった貞子と伽椰子ですので、ホラー映画を見た怖さはほとんど味わえませんでしたが、ネタ映画としては十分面白かったですよ。
しかし貞子VS伽椰子なこともあってか、貞子側に比べると伽椰子側のエピソードはかなり薄かった印象で、対等な扱いでは無かった気もするんですけどね。
その分、ハンデなのか伽椰子にはセットメニューとして俊雄君も漏れなく付いてきた訳ですが、伽椰子一家はほとんどお化け屋敷の幽霊状態と化していたような(笑)
まあ今までのシリーズで描かれてきた切なさ要素を一切排除して、完全に企画モノとして作ったからこそ楽しめた映画だったと思うので、これはこれで良かったですけど。
このトンデモ企画を成功させた白石監督の手腕は、それにしても見事でしたね。
貞子と伽椰子が対決に至る過程なんかも、説得力十分で思いのほかスンナリ受け入れられましたから。
対決に導いた漫画チックな霊媒師の経蔵&珠緒コンビがとにかくいい味出してましたね、アレを違和感なく演じた安藤政信が本当に素晴らしかった!
貞子3Dシリーズの某監督だったら、またドエライことになっていた気がしてなりません(苦笑)
絶叫クイーン2人も演技力はまだまだも、美しさは相当際立っていましたね。
違和感たっぷりの美しさでしたけど、リアリティ皆無の映画ですからこれもまた良し。
難を言えば、もう少し山本美月には怖がってもらわないとね。
絶叫度では、玉城ティナに軍配、しかしそれを大きく凌ぐとんでもない目に合った佐津川愛美のインパクトがデカ過ぎて、ヒロインよりもそっちの方ばかりが脳裏に焼きついてしまいました。
本線とは関係ないところでそこまでされなくても・・・でも、あれは最高でした!
怖いと言うよりは笑えて興奮させられるアトラクション的な夢の対決映画でしたが、作ろうと思えばまだ続編は作れそう、白石監督続投の条件付で続編希望です。