「さあ、「床に就く時間だ」。」ヘイトフル・エイト とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
さあ、「床に就く時間だ」。
確かにヘイトフルな輩のオンパレード。
胸糞悪い、唾棄すべき奴らばっかり。
タランティーノ監督作品初鑑賞。
予告を見て、クリスティさんの『そして誰もいなくなった』的なものを期待して鑑賞。
まあ、ある意味、『そして誰もいなくなった』なのだが。
期待していたものとはかなり違った。
セット・自然、馬の足並みの構図等、映像が美しく、引き込まれる。
トイレまでの道のりが長いのも、当時ならさもあらん。
音楽はさすが。ここに抒情的なものを合わせるかとか、挿入歌とか、緊張感・不気味さを盛り上げるとことか、古典中の古典なのだが、かえってはまる。
そして、ジャクソン氏。ミニーたちへの想いとか良い人的な雰囲気を醸し出し、黒人であることの悲哀を振りまきながらも、こんなにもヘイトフル。滋味があるのだけれどヘイトフル。
途中の死刑執行人の演説は超絶うさん臭く、何かが始まる予感を掻き立てる。
首吊りと賞金首も、途中まではどこか漫才コンビのようで(笑)をとってくる。
展開も、そうくるかと予断をゆるさないところは迫真。
人種的な様相×南北戦争の中での確執×西部劇の正義の様相が入り乱れる構成も見事。
「リンカーンの手紙」が、この展開の中で、絶妙。
映画としての完成度は高いと思うのだけれど…。
次々に明かされる各登場人物のヘイトフルさ。
加えて、ヘイトフルな展開。
裏切り者が出るのかと思ったら、命かけてまで奪還しようとする健気さには驚いたが…。
血しぶきにも食傷気味にもなったけれど、
”ダンス”で、評価は一気に下落。
鑑賞後に、口直しの映画が必要だった。
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