「タランティーノからの挑戦8」ヘイトフル・エイト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
タランティーノからの挑戦8
地元の映画館で上映せず、レンタルを心待ちにしていたタランティーノ最新作。
タランティーノは作品ごとに円熟を増している!…と思わずにはいられなかった!
南北戦争後、吹雪の中、とある小屋に集った8人の男女。
一見見ず知らず同士だが、やがて彼らの関係や素性、この小屋で起きた事件とその真相が明かされていく…。
正直、見る前はちと抵抗あった。
幾らタラちゃんムービーとは言え、3時間近い密室劇。
確かに前半は長い。
が、後半は一気に畳み掛け!
ミステリーとして謎や伏線が散りばめられ、それらが鮮やかに回収…とは言い難いが、俺からの挑戦を受けてみやがれ!と言わんばかりのタランティーノ節!
ネタバレ厳禁故詳しく言えないけど、ワードや会話のやり取り、意味深なカットやシーン、小物に至るまで、気になるもの怪しげなものは脳裏に焼き付けておいて損ナシ!
小屋に集った8人は…
賞金稼ぎ、首吊り人、賞金首の女、新任保安官、小屋の留守番、巡回執行人、カウボーイ、無口な老人。
今回、ブラピやレオのようなビッグスターは出ていない。しかし、
サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、ディミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン…鼻血ブー!レベルの個性派揃い!
中でも、散々な目に合わされながらもビッチな凄みたっぷりのリーと、知名度は低いが後半大いに見せ場のあるゴギンズが印象に残った。
とにかく、全員が怪しい。
しかも皆、"自称”。
本物の肩書き、本当の事を言ってるのは誰…?
8人と謳っておきながら、明かに8人以外居る…。
本作の話題の一つに、祝!遂にオスカー受賞のエンニオ・モリコーネの音楽。
OPの不穏なムードを煽るテーマ曲にゾクゾク!
劇中延々流れ続ける多用ではないが、要所要所に効果的に印象的に使われていた。
ウルトラ・パナビジョン70はそれに適した劇場で観てこそなのが残念だが、画面いっぱいに広がる雪原の映像などを少しでも堪能出来れば…。
同じ西部劇でも「ジャンゴ」のようなメリハリあるエンタメ性には欠けるが、それでも飽きさせないのは濃縮されたタランティーノらしさ。
ダラダラ長台詞、章仕立て、ユーモア、そして容赦ない飛び散る血&血反吐のバイオレンス!
差別的と叩かれそうな女性殴打&ニガー連発も偽善ナシで堂々と描く点も好き。
「遊星からの物体X」などへのオマージュ、「レザボア・ドッグス」を彷彿させる原点回帰。
二度三度見れば面白さが増す味わい。(すでに2度鑑賞)
犯罪活劇、ヤクザ&カンフー映画、戦争映画、西部劇、そして密室ミステリー…。
それらを自分色に染め、もはや“タランティーノ映画”としか呼べない一つのジャンルに。
次は何を自分色に染めてくれるんだ、タラちゃんは!
近大さん、夕陽のガンマン、テレビ!今日の夜中に夕陽のガンマン、1週間後の夜中に「続 夕陽のガンマン」やります。録画予約しました。楽しみです!ありがとう、テレビ東京!
近大さん、コメントありがとうございます。続・夕陽のガンマンですね。見ます!スパゲッティ・ウェスタンって、フランコ・ネロの続・荒野の用心棒をちょっと前に見たのが初めてだったんです。モリコーネと西部劇って、私の中で全然繋がってなかったので、それだけで興奮します。人間、長く生きてると、いいことありますね!NHK大河ドラマの「武蔵」の音楽はモリコーネで、とても良かったです。
こんばんは。
私は語彙力がないので、近大さんのレヴューを見て「そうだ!そうだー!」と思ってしまいました(笑)。
私もタランティーノ大好きで、「レザボア•ドッグス」を初めて観た時に感動したクチです(笑)。
やっぱり、私はあの作品が一番好きかも知れないです(笑)。
何だか、近大さんと趣味が似てて嬉しいです(*´꒳`*)←勝手な思い込み(笑)。