「嫌味でいい映画」ヘイトフル・エイト みーやさんの映画レビュー(感想・評価)
嫌味でいい映画
タランティーノ作品は好き嫌いが分かれるけど私は大好き。今作もタランティーノの悪趣味満載。よくもこんな酷いこと思いつくなと脱帽。
全体的にゆっくりとしたストーリー展開で緊張感が徐々に高まっていくのも良かった。吹雪の中に取り残された個性的な面々に惹き付けられる。こいつらの掛け合いがたまらなく面白い。一昔前のホラー映画のような音楽が相まって独特の雰囲気を形成している。
ミステリーとして売り出しているようだが、これを推理することは困難であり、ミステリーとしてはタブーに近い行為をしているのでちょっと違うかもしれない。ミステリーとしてではあまり完成度は高くないがその欠点すらもぶち壊すぐらいのディティールの完成度の高さがある。リンカーンの手紙やフェラの件は観る人によって様々な見解が生まれると思うし、観終わった後も楽しめる。
ラストのシーンは本当に最高。最高に狂気じみてるし最高に面白い。ウォルトン・ゴギンズのあの笑顔はシャイニングのジャックニコルソンに通じるものがあって思わずにっこり。
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