「さすがタランティーノ。」ヘイトフル・エイト mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
さすがタランティーノ。
とんでもない映画の登場である。こういう映画を撮り続けることができるなら、クエンティン・タランティーノには一生涯映画を撮り続けてほしい。
タランティーノには多くのファンがその新作を楽しみにしていて、しかもあまり失望させない。これはすごいことである。
で、本作。
ひとつの場所で延々と繰り広げられる物語は「レザボア・ドッグス」を思わせるし、時間軸をいじるのは「パルプ・フィクション」を思い出させる。
つまりは、タランティーノの集大成的な映画になっている。
登場人物が惜しげもなく死んでいくのもタランティーノらしいといえばいえる。その死はいつも驚きを伴い、物語の転回を促す。タランティーノのストーリーテリングは心憎いばかりである。
役者陣も演出によくこたえている。ウォルトン・ゴギンズの狂言回しはかなりよかった。
2時間48分を長尺と感じさせない緻密な脚本と大胆な演出、役者の名演が相まって、タランティーノ言うところの、これまでの最高傑作というのは当たっているかもしれない。
映画ファン必見である。
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