「過剰さが押し寄せる」ヘイトフル・エイト チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)
過剰さが押し寄せる
『デス・プルーフ』と『イングロリアス・バスターズ』は文句なしに大傑作だと思っているんですけど、これはどうかなぁ・・・
いやぁ、タランティーノ監督らしく、なんとも画面に映し出される過剰さは半端ないんですよ。その過剰さが『デス・プルーフ』では爽快に変わり、『イングロリアス・バスターズ』では緊張と興奮に変わっていったのですが、今回はやや食傷気味にさせられたっていうかね。
ヘイトフルな8人がのっそのっそと歩き回り、シチューを喰らい、つば飛ばして喚きあってるのを見てると、なんというか、「あ、熊だ」とか訳の分からない思いつきが出てきましたよ・・・ うん、「熊」というどうにも制御できない、しかし生命力そのものの(自分の中での)象徴を連想してしまう感じで、まぁ、そういう「熊」が狭い檻に入れられてぶつかり合ってるっていうね・・・
こう書いていると、それこそがこの画面で伝えようと意図していたものなのでしょうし、その意味では実に成功した画面作りなのでしょうけれども、やっぱりちょっと食傷気味で、食べ疲れた感じがしてしまいました・・・
思うに、皆、服、着込みすぎなんですよね。それがなんか窮屈な感じがして、こっちまで息苦しくなるっていうかね。ま、極寒だからしょうがないんですけどね。
実はちょっと自分の体調が完全ではない状態で見たのですけど、それが悪かったかもしれませんね・・・
これから見る方は、ぜひ体調万全で臨まれると良いと思いますよ。胃にきますので、はい。
あ、それと、チャニング・テイタムですが、これまでちゃんと観たことなかったんですよね。それで勝手にイメージだけで、なんかマッチョなだけな人だと決めつけていたんですが、今回、初めてまともに見たんですが、結構、良かったです。なんというか悪さの色気がありましたね。