「いま現代のアメリカの病巣のモトがここに?」ヘイトフル・エイト えいいちさんの映画レビュー(感想・評価)
いま現代のアメリカの病巣のモトがここに?
面白かった!
週末興行ランキングでは、「黒崎くん~」が首位で、「ヘイトフル・エイト」が10位、何でやねん‼ …いや、分かる気がするな。これ、メチャクチャだもん(笑)。女子供は見ちゃいけない。デートで来るな、酷い目に遭う。
三谷幸喜っぽい、といえば言いえて妙で、良くできた一幕物の舞台劇、シチュエーションコメディーです小台詞メインの騙しあい、細かい伏線の見事な(強引な)回収、名人芸の域だなあ、と思ってたら、最後いきなりタランティーノ そのもののメチャクチャな銃撃戦!
だけどね、それだけじゃないんだ。抜かりなく。
時代は、南北戦争が終わったばかり。
黒人やメキシカンへの抜きがたい差別と敵愾心、負けた南部の根強い怨念、理想も民主主義もどこへやら、暴力が幅を効かせる社会のどーしようもなさ、今に続くアメリカという国の病巣が、あからさまに描かれていて、でも、そこに出てくる「リンカーンからの手紙」という小道具の泣いちゃうほどの効果。
タランティーノやるなあ、ただの映画バカじゃないな、って感動します。トランプとヒラリーにいまこれ見せたいな(見てるかな、見てないだろうな)。
暴力ダメな人は、この映画は止めたほうがいい。ある意味、劇薬。10位で、妥当か。
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