「後半が評価の分け目。」ヘイトフル・エイト 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
後半が評価の分け目。
正に「タランティーノ」風味全開の西部劇に仕上がった一本。
168分の尺にビビりながらの鑑賞だったが、会話劇、視点切替などお馴染み要素を盛り込んで全く長さを感じさせなかったのは本当に見事、本当に裏切らない監督。
芸達者を集めた俳優陣の見事な演技に引き込まれ、そんな役者の無駄遣いにニヤニヤさせられたり。
意地悪さは相変わらず顕在、この「紙一重の悪趣味」が自分がタランティーノ作品を愛する理由なんだなと改めて実感した。
ただ1つ残念な所は。
「話も仕掛けも評判を裏切り、それを踏まえた上以上にに単純だった」
ドキドキしながら冒頭から人数を数え…9人いるぞ?というところから始まり。
そんな9人の複雑に絡む思惑と化かしあいを期待して迎えた中盤からの流れが、ネタの割れてからの終盤が…
「8」の必然性と知性がいきなり無くなり、とても勿体無く感じてしまった。
化かしあいで最後まで通すか、最初からお祭りにするか、どちらを撮ってもタランティーノ監督なら面白くするのに。
まぁこの半端感もらしいと言えばらしいのだけれど。
観て損は絶対無し、ただし宣伝・煽りに過大な期待は禁物な作品。
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