劇場公開日 2016年5月13日

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「観るのも演るのもマニアック」ヘイル、シーザー! 全竜(3代目)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0観るのも演るのもマニアック

2016年11月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

ハリウッド映画最盛期の1950年代のとある大手の製作会社の責任者ジョシュ・ブローリンは、所属女優や監督のゴシップの後始末に奔走する日々。

相変わらずトラブルの山に四苦八苦する最中、スタジオが最も肝入りで製作していたローマ史劇のスペクタクル超大作の主演俳優ジョージ・クルーニーが共産主義者グループに誘拐する事件が発生し、スター奪還に一肌脱ぐクライム喜劇。

オスカー監督であるビッグネームの最新作にも拘わらず、静岡ではマニア映画の聖地・サールナートホールでヒッソリ上映していたぐらいだったので、期待度ゼロで鑑賞したが、
「解る人に解りゃイイ」と観る客を選ぶ開き直り精神は、ブレてなくて、かえって潔いぐらいだ。

ミュージカル、西部劇、時代劇etc. 最も活気に溢れていた映画産業の華やぎの片隅で、共産主義者を弾圧していった悪名高き“赤狩り”が垣間見えていく。

云わばハリウッドの光と闇を兄弟特有の皮肉屋スピリッツで小突く世界観は面白いけど、観終わると清純派ミュージカル女優スカーレット・ヨハンソンの美貌&裏の顔以外、何も印象は残らない。

良い意味でも悪い意味でも、大衆娯楽の典型とも云えよう。

訛りがキツい若手俳優の演技を大物監督がイライラしながらダメ出しして矯正したり、ゴシップ誌記者のティルダ・スウィントンが瓜二つの双子姉妹で相手が混乱するetc. のシーンは、昔、コント55号やドリフのコントでよくネタにしていたオーソドックスなギャグで、ベタベタでも1周廻って笑ってしまう。

ゆえに、懐古的な了見で向かい合えば、其れなりに楽しい映画なのかもしれない。

では、最後に短歌を一首

『星いずこ 浮わつくイモの 後始末 夢に追われし 真っ赤な博打』
by全竜

全竜(3代目)