「社会的権力、虐げられる者たち、立ち向かっていく刑事たちは北欧も日本も変わらない」特捜部Q キジ殺し 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
社会的権力、虐げられる者たち、立ち向かっていく刑事たちは北欧も日本も変わらない
ベストセラーの北欧ミステリーを、本国デンマークで映画化したシリーズ第2作目。
カールとアサドの今回の捜査は…
ある日カールの元を初老の男が訪ね、20年前のある事件を再捜査して欲しいと頼まれるが、ついこれをことわってしまう。その後、男は自殺する…。
男は元警部。責任を感じたカールは男の遺品を元に、事件を調べ直してみる…。
20年前、寄宿学校で双子がレイプ・惨殺された事件。
犯人も捕まり、裁きも下されたが、それはあまりにも軽すぎで、不審な点も多い。
卒業生で今や社会的有力者たち。
そして、最重要人物である一人の女性の存在…。
好評を博した作品の2作目だけあって、尺もボリュームもアップ。よりミステリーの醍醐味も増した。
が、それが見所でもあり、難点。
登場人物も多く、20年前と現在が交錯。
お察しの通り事件の真犯人や真相はそう複雑なものではないのだが、ちと人間関係など分かりづらい。
また、レイプシーンや暴力シーンなど、なかなかエグい。
しかしこれは犯人たちの残虐性を知らしめる上で必須。
捜査線上に権力が立ちはだかる時…
虐げられた者たちは今も苦しむ。
偽善者たちは今も法に護られ、のうのうと社会上位の甘い汁をすすっている。
それは北欧も日本も変わりない。
そんな不条理に立ち向かっていく…。
特捜部Qに秘書が配属。非常に役に立つ存在に。
カールとアサドもよりバディ感を深めた。
作品自体の見易さでは前作。
でも変わらぬ見応えや悲しい結末など、今回も面白かった。もはや安定路線か。
第3弾も楽しみ。
それにしても、武骨に見えるカール、意外とやられ易い…(^^;
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