劇場公開日 2016年1月5日

「B級映画の教科書」スタング Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0B級映画の教科書

2024年10月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

直球のB級モンスター・パニックで勝負に出た本作はこれからB級映画を撮ろうと奮闘する若い監督らの良い教科書になるだろう。

設定やストーリーなど何から何まで王道のB級を貫いており、清々しさを感じる。パーティー中に突如巨大な蜂の軍団に襲われるという設定なのだが、「エイリアン」シリーズでお馴染みのランス・ヘンリクセン演じる市長ら大物まで登場するパーティである。主人公はケータリングにやって来たポールというちゃらんぽらんの男性と、ケータリング会社の代表のジュリアの二人である。この二人の掛け合いが妙に面白く、最後の最後までクスッとさせてくれるのがポイントである。

日本でもしっかり劇場公開された本作、蜂のアニマトロニクスやVFXはかなり精密であった。低予算というのは隠しようが無いが、肝心の巨大蜂には本気さを感じるクオリティだった。やはり「武器人間」等を製作したXYZフィルムズならではのこだわりだろう。

物語の展開はやや無理矢理に思える部分も無くはないが、この手の作品では十分許容範囲だ。中にはストーリーが破綻している作品も少なくないが、本作に限ってはその心配は無用である。また、想像していたよりグロ描写が過激であった。ある程度蜂の発生理由も分かるものの、刺された人間は体に幼体を植え付けられるらしく、「28日後…」並の速さで体を突き破って巨大蜂が産まれる仕組みである。蜂にもクイーンが居たり、体を突き破ったり、「エイリアン」的なニュアンスの部分が多少存在するものの、劇場未公開の映画をレンタルして失敗している方々には、本作は「ちゃんとしたB級映画」の為安心して観て欲しいと伝えたい。

Mina